17766 低すぎる自・公両党の”勝敗ライン”249    古澤襄

安全運転に徹する気持ちは分からぬでもないが、ここにきて”勝敗ライン”をグーンと下げた政権与党の発言が目立つ。自民党の議席数は294、公明党と合わせれば優に300議席を越えるのだが、自・公両党の幹事長会談で「安定多数の249確保を目指す」。
菅官房長官は「自民・公明両党で過半数である238議席以上の獲得を目指す」考えを強調した。現有議席よりも50議席減らしても選挙に勝ったと言う布石としか思えない。
たしかに前回選挙では三年半の民主党政権の失政に批判が広がり、尖閣諸島をめぐる中国の野望に対する危機意識の高まりがあったから、自民党にとっては”追い風”の中での選挙だった。
12月選挙では追い風は期待できない。おまけに前回選挙で当選した一年生議員はまだ二年、選挙区はまだ組織固めが道半ばといっていい。過去の例をみても一年生議員の半数は落選の憂き目をみているから、100人のうち50人が消える可能性がある。比例復活でどれだけが救済されるか、ということであろう。
それにしても過半数238とか安定多数249という”勝敗ライン”の設定は低すぎる。本音は260~270というところなのだろうか。
■自公 安定多数の249議席確保で一致
自民・公明両党の幹事長らが会談し、衆議院選挙では、与党の安定的な国会運営につなげるため、少なくともいわゆる「安定多数」の249議席の確保を目指すべきだという認識で一致しました。
会談には自民・公明両党の幹事長と選挙対策委員長、それに国会対策委員長が出席しました。
この中では、安倍総理大臣が21日に衆議院を解散する意向を表明したことを受けて、衆議院選挙で295の小選挙区すべてに与党の候補者を擁立して勝利するため、両党で準備を加速させることを確認しました。
そのうえで、出席者から「安倍総理大臣は『過半数以上の議席の獲得を目指す』と述べたが、実務を担うわれわれとしては、今後も法案の成立に向けて安定した国会運営を行うため、必要な議席を目標に掲げるべきだ」という指摘が出されました。
そして、会談では与党側で衆議院にある17の常任委員会のすべてで委員長を出したうえで、野党側と同じ数の委員を確保できる、いわゆる「安定多数」の249議席の確保を少なくとも目指すべきだという認識で一致しました。
■菅官房長官「過半数238以上目指す」
菅官房長官は午前の記者会見で、衆議院選挙のいわゆる勝敗ラインについて、「政府の立場では、安倍総理大臣が言ったことがすべてだ」と述べ、自民・公明両党で過半数である238議席以上の獲得を目指す考えを強調しました。
そのうえで、菅官房長官は、自民・公明両党の幹事長らが、いわゆる「安定多数」の249議席の確保を目指すべきだという認識で一致したことに関連し、記者団が「自民・公明両党で過半数という勝敗ラインは、与党内からも低いという意見があるが」と質問したのに対し、「今、与党で政策を遂行しており、過半数を最低限維持するのは当然のことだと考える」と述べました。(NHK)
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