民主党熊本県連は25日、衆院選(12月2日公示、同14日投開票)に向けた選対会議を熊本市で開き、県内五つの小選挙区全てで公認候補の擁立を断念することを決めた。
同党が国政選挙で県内に公認候補を立てないのは、1998年の県連発足以来、初めて。
民主党が政権交代を実現した2009年の衆院選で県内では、比例復活も含め党公認候補3人が当選し、参院議員1人を合わせ、県選出国会議員は4人となった。しかし、12年の衆院選、13年の参院選で連敗し、全議席を失った。
県連は今回、社民党県連、連合熊本との選挙協力を申し合わせたうえで、熊本2区と3区を中心に候補者擁立を模索してきた。
選対会議後、取材に応じた鎌田聡・民主党県連代表によると、打診した複数の対象者やその支援組織からいずれも了承が得られなかった。党本部への公認申請期限が25日に迫っており、仮に候補者が決まってもポスター作製などの準備が整う見込みがないことから断念したという。
鎌田代表は記者団に「不意打ち的な解散に対応できず、断念せざるを得なかった。有権者に選択肢を示せず、申し訳ない」と話した。
最大の支援組織である連合熊本の上田淳会長は取材に対し、「厳しい状況は理解しているが、野党第1党としての存在感を示してほしかった」と苦言を呈した。
一方、社民党県連は、新人の党県連幹事長、今泉克己氏(64)を5区の公認候補とすることを決めたばかり。中島隆利代表は「安倍政権の暴走を止めようと、すみ分けをしたが、民主党の擁立断念は残念としか言いようがない。だが、3者の協力関係が揺らぐことはなく、5区の戦いに傾注する」と語った。
民主党県連は25日、今泉氏を県連レベルで支持することを決めた。5区はほかに、自民党前議員・金子恭之氏(53)、共産党新人・橋田芳昭氏(59)が立候補を予定している。(読売)
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17836 民主熊本、擁立断念「不意打ち解散対応できず」 古澤襄

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