17849 日本株は3日ぶり反発    古澤襄

■空運など原油安メリット業種に買い
11月28日(ブルームバーグ)東京株式相場は3日ぶりに反発して始まった。石油輸出国機構(OPEC)が原油生産目標の据え置きを決定、国際原油市況が4年半ぶりの安値を更新する中、空運や海運など燃料費負担の軽減につながるメリット業種が高い。為替の円安推移、欧州統計の改善もあり、自動車など輸出関連株も堅調だ。
TOPIX の始値は前日比5.33ポイント(0.4%)高の1397.23、日経平均株価 は91円66銭(0.5%)高の1万7340円16銭。  
OPECは27日の総会で、世界的な原油供給過剰を緩和するための措置を見送った。価格下落に歯止めをかけるため減産を呼び掛けたベネズエラの主張を退け、現行の日量3000万バレルの生産目標を維持する。総会結果を受け、27日のニューヨーク原油先物は6.3%安の1バレル=69.05ドルと急落、2010年5月以来の安値を付けた。
野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、原油価格の下落は「日本のマクロ経済にとって、どちらかと言うとプラスの話。円安で輸入コストが上がっていることを懸念する意見もあるが、その懸念も和らぐ」と言う。
為替の円安推移、欧州経済統計の改善も相場全般の見直し機運を助長している。けさのドル・円相場は1ドル=118円10銭付近、前日の東京株式市場の終値時点は117円32銭だった。前日の海外時間に原油安を受けて産油国通貨が下落、相対的にドルが買われる流れがあった。
欧州では、27日に公表された11月の失業率が過去最低の6.6%になり、同月のユーロ圏景況感指数も市場予想に反し、10月の100.7から100.8に上昇した。同日のドイツのDAX指数は0.6%高と11日続伸となっている。
東証1部33業種は空運、海運、ゴム製品、電気・ガス、銀行、繊維、倉庫・運輸、不動産、化学、輸送用機器などが上昇。鉱業と石油・石炭製品は下落している。売買代金上位ではトヨタ自動車、東芝、富士重工業、商船三井、ANAホールディングス、ブリヂストン、日本郵船、日本航空が上昇。三井物産や国際石油開発帝石、JXホールディングス、千代田化工建設、日揮、トリドールは安い。
取引開始前に発表された国内10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は、前年比2.9%上昇と3カ月連続で伸びが鈍化した。10月の鉱工業生産指数は、前月比0.2%上昇と市場予想の0.6%低下より良かった。(米ブルームバーグ)
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