■ドイツなど労働力確保へ移民受け入れ必要=OECDとEU調査
[パリ 1日 ロイター]経済協力開発機構(OECD)と欧州連合(EU)は、欧州の高齢化が世界最速のペースで進んでおり、移民を受け入れる必要に迫られるとの見通しを示した。ただ、多くの欧州人は移民を望んでいないという。
OECDとEUの専門家は労働力の高齢化問題について、女性や高齢者の就労者の増加、欧州内での移動促進、欧州に既にいる移民の活用で2020年ごろまでは対応できると指摘。
ただ中長期的には、EUが域外から大量の熟練労働者を受け入れ、同時に強まりつつある反移民の声を克服する必要があるという。
OECDの移民専門家、ジャン・クリストフ・デュモン氏は「(移民への)扉を閉ざせば経済的代償を払うことになる。現在は既存移民が持つ技術と労働市場のニーズをうまくマッチさせられるが、より長期的には数も問題になってくる」と説明した。
今後人口の減少が予想されるのは、ドイツ、スペイン、ポーランド。特にドイツの高齢化による労働力不足は、同国にとどまらず、オーストリア、オランダ、フィンランドにも「深刻な労働供給のひっ迫」をもたらすとみられている。
一方、英国、フランス、アイルランドは健全な人口増が見込まれている。イタリアも、より小幅ながら増加が予想されるという。
EU統計局(ユーロスタット)の試算によると、第二次世界大戦後のベビーブーム世代が退職すると、65歳以上の人口が労働力に占める比率が劇的に上昇する一方、15歳以下の人口は2060年までに約15%低下するとみられている。(ロイター)
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