大手新聞社の全国有権者世論調査が出揃った。いずれも自民党が、小選挙区選、比例選ともに優勢で連立与党の公明党と合わせて300議席を超える勢いにあることが分かった。
最大手の読売新聞社は各小選挙区で自民党が200人近くが優位に立ち、比例選では、前回衆院選で獲得した57議席を大きく上回り、70議席台となる勢いだとしている。
一方、最大野党の民主党は伸び悩み、海江田代表が掲げた「3けた」の目標には届かず、公認候補を擁立した178選挙区中、優位に立っているのが13選挙区にとどまっている。
この傾向は朝日新聞社も同様で、現時点では①自民党は単独で300議席を超える勢い②民主党は100議席には届かない公算としている。
また日本経済新聞社も①自民党は300議席をうかがう勢い②民主党は伸び悩みとした。
各紙とも調査では、小選挙区選で3割、比例選で2割の人が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は終盤にかけて変わる可能性もあると保険をかけている。
いずれも週刊誌や評論家が予測した民主党が100議席を超え、自民・公明が270議席にとどまるという傾向予測値とは違う結果となった。
自民党は10月下旬に各選挙区ごとに選挙情勢調査を実施し、すでに今回の大手新聞社の調査とほぼ同じ予測値を得ているが、公認候補が出揃っていない段階での予測値だったので、むしろ厳しい情勢判断を意識的に流してきた。この結果、本来なら一年生議員の半数近くが当選出来ないという危機意識が徹底し、「自民”一期生”が堅調」(読売)という堅調な戦いぶりをみせている。
自民党幹部は「一期生の動向が選挙の行方を占う」としてきたが、谷垣幹事長は就任以来、一期生との昼食会を五回開き、地元での活動や支援組織の作り方などを伝授してきた。
私はこの情勢がさらに動く可能性があるとみている。
それは戦後の衆院選挙で最低の投票率59・32%(小選挙区)を記録した前回選挙をさらに下回る可能性が濃厚となっているからだ。選挙民の関心が薄いことは好ましいことではない。少なくとも60%前半にはなると期待していたが、公示後の各選挙区の有権者の関心ぶりは、決して高いとはいえない。
投票率が戦後最低をさらに下回れば、組織選挙に徹している自民党や公明党、共産党に有利に働く。無党派層を当てにした風頼みの選挙戦を演じている他の政党にとってマイナスとなるのは言うまでもない。焦点は投票率にあると言えよう。
■読売新聞社は、14日投開票の衆院選について、2、3の両日、全国の有権者を対象に世論調査を行い、全国の総支局などの取材を加味して序盤の情勢を探った。
自民党は、小選挙区選、比例選ともに優勢で、比例選で伸長が見込まれる公明党と合わせ、与党で300議席を超える勢いとなっている。
民主党は、公示前の62議席は上回る情勢だが、海江田代表が掲げた「3けた」の目標には届かない見通し。維新の党など第3極は低迷している。
共産党は比例選で好調で、公示前の8議席からの倍増をうかがっている。調査では、小選挙区選で3割、比例選で2割の人が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は終盤にかけて変わる可能性もある。
衆院選は、1票の格差是正のための法改正に伴い、今回から定数が五つ減り、小選挙区選295、比例選180の計475議席で争われる。小選挙区選には959人、全国11ブロックの比例選には841人が立候補し、重複立候補の609人を除くと、1191人が立候補している。
自民党は、小選挙区選で200人近くが優位に立っている。青森、群馬、富山、石川、福井、岐阜、鳥取、島根、山口、徳島、高知、長崎、宮崎の各県などで議席独占の可能性がある。比例選では、前回衆院選で獲得した57議席を大きく上回り、70議席台となる勢い。全体で、絶対安定多数を超え、公示前の293議席確保もうかがっている。
公明党は、小選挙区選に立候補した9人のほぼ全員が優勢なほか、比例選で伸長し、全体として公示前の31議席を上回りそうだ。
自公両党の公示前議席は324議席。今回、300議席を超えた場合、安倍首相(自民党総裁)の安定的な政権運営が続きそうだ。
民主党は、公認候補を擁立した178選挙区中、優位に立っているのが13選挙区にとどまっている。都市部で自民党と接戦を繰り広げているが、抜け出せていない。比例選は、前回の30議席は上回るものの、伸びは限定的となっている。
前回躍進した第3極は苦しい戦いとなっている。維新の党は、小選挙区選で優位なのが1けた台にとどまる。比例選は20議席台の情勢で、公示前の42議席には届きそうもない。公示前19議席の次世代の党は、小選挙区選と比例選を合わせても、1けた台に沈む見通し。生活の党も、小選挙区選で優勢なのが1人だけだ。
社民党は小選挙区で1人が優位に立っている。新党改革は厳しい戦いを強いられている。
共産党は、他の野党の候補が減る中、「非自民」票の受け皿となり、相乗効果で比例選が伸びそうだ。(読売)
■読売新聞社の全国世論調査で、今回の衆院選に関心があると答えた人は、「大いに関心がある」29%と「多少は関心がある」40%を合わせて69%となった。
戦後最低の投票率59・32%(小選挙区)を記録した前回2012年衆院選時の81%を12ポイントも下回っており、投票率の低下が懸念される。
関心があると答えた人は、前回に比べて全ての年代で減少した。最も下げ幅が大きかったのは40歳代で、前回比16ポイント減の64%。30歳代は15ポイント減の58%、50歳代では14ポイント減の69%だった。最も関心が低かったのは20歳代で、55%だった。支持政党別でみると、自民党支持層は76%、民主党支持層は77%だったが、無党派層では56%にとどまった。(読売)
杜父魚文庫
17888 自公、300議席超す勢い…衆院選序盤情勢 古澤襄
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