■朝日新社長「提言待って」と繰り返すのみ 部数は20万部減
慰安婦をめぐる誤報や、東京電力福島第1原発事故に関する「吉田調書」の記事取り消しなどに揺れた朝日新聞社の新体制が5日、発足した。大阪市内で記者会見した渡辺雅隆新社長(55)は信頼回復を誓ったが、慰安婦報道が国内外に与えた影響の是正については「第三者委員会の提言を待つ」と繰り返すのみ。報道陣から厳しい質問が相次ぎ、「再生」に向け前途多難の船出となった。
会見場に現れた渡辺社長は、飯田真也新会長(63)とともにカメラのフラッシュが光る中、一礼して着席。硬い表情を崩さず、手元の資料に目を落としながら「誤りは自らただす新聞社だと評価してもらえる日まで改革をやり抜く」と決意を語った。
慰安婦報道に関する第三者委員会の見解・提言が出ていない中での社長交代。「提言は年内にも出る。新体制で提言を受け止めるべきだと判断した。責任問題への対応は私自身が会見して説明する」と明言した。
ただ、慰安婦報道への厳しい質問には“逃げ”に徹する場面も。英字新聞の記者から「海外に対してどう説明責任を果たすのか」と問われると、「朝日の考え方、どういう議論が国内であるかという記事を出すことで、説明責任を果たしたい」と述べるにとどめた。
国連のクマラスワミ報告書に吉田清治氏の証言が引用されたことなどによる影響の是正についても「難しい問題。第三者委に審議をお願いしており、提言を待って説明させてもらう」とだけ回答した。
一連の問題は販売にも影を落としている。
部数は全国で20万部以上減少。販売部門を担当してきた飯田会長は終始うつむき加減で、「読者から厳しい声を頂戴している。営業現場は厳しい。それは重々承知している」と声を絞り出すのがやっとだった。
一方、渡辺社長は、大阪社会部で事件報道などに携わり、西日本を中心に地方の現場を長く取材した点をアピール。
この記者時代に関する質問には明るい表情に変わり、「私のキャリアを朝日の改革に生かす」「誤報は人間がやることだから可能性はある。社内で『おかしいんじゃないの』と言える空気が重要だ」などと語った。(産経)
杜父魚文庫
コメント
朝日新聞社の社会部の体質に奇妙なところがある。スクープ第一主義だ。スクープ記事がのると、それを書いた記者が尊敬される体質だ。沖縄の珊瑚、共産党の伊藤談話、は、そうした体質がうみだしたもの。僕も朝日の社会部記者にひどいことをされた経験を持つ。こんどの新社長にもこの体質があるのではないのか、疑問を持つ。