17933 九州 政権批判票 野党食い合い    古澤襄

 《福岡》
自民が候補を擁立した10選挙区すべてで優位に立つ。民主と維新は県連レベルで推薦し合うが、厳しい戦い。
1区は民主山本が公認争いによる自民分裂のすきを突いて先行。自民前職ながら無所属で出馬した井上と新開は巻き返しに懸命だ。
2区は自民鬼木がリードし、民主稲富が追う。3区は自民古賀が安定。4区は自民宮内が先行し、維新河野が浮動票の取り込みを狙う。自民は共産新人と一騎打ちの6区鳩山、7区藤丸、8区麻生が独走。11区も自民武田が抜け出した。
 《佐賀》
1区は自民岩田が一歩リードし、民主原口が追う展開。厚い保守地盤に支えられる岩田は組織力を生かし、大票田の佐賀市などで優位に立つ。元総務相で知名度と実績を持つ原口は無党派層の支持拡大がカギを握りそうだ。
2区は自民古川が前知事の高い知名度を生かし優勢。「0増5減」で選挙区が広くなったが、旧3区で当選を続けた元自治相の保利耕輔の地盤を中心に支持固めを進める。前回比例復活の民主大串は支持の広がりを欠く。
《長崎》
1区は3選を狙う自民冨岡が幅広い世代の支持を集めややリード。9選を目指す民主高木は労組を中心に組織票を固め、懸命に追う。
2区は自民加藤が農業団体を中心に手堅く支援組織を固め、優位に戦いを進めている。民主大久保は伸び悩んでいる。3区は5選を目指す自民谷川が盤石。5人が争う4区は6選を狙う自民北村が安定感を増している。民主宮島は保守層への食い込みを強化するが、支持は広がっていない。
 《熊本》
民主が全県で候補者擁立を断念し、自民が3選挙区で優位に立つ。1区は自民木原と維新松野が接戦。木原は自民支持層に加え、公明支持層も固める。松野は県連の支持を受ける古巣の民主支持層もまとめ、野党共闘で浸透を図る。
2区は自民野田が幅広い支持を集め、3区も自民坂本が盤石。4区は、自民、民主の公認候補がいない異例の選挙区。自民県議が担ぐ次世代園田が安定した戦い。5区は自民金子が大きくリードしている。
 《大分》
1区は再選を目指す自民穴見がリードし、雪辱を期す民主吉良が追う展開。穴見は公明票をおさえ、保守票の上積みを図る。社民の後押しを受ける吉良は政権批判票の結集に奔走するなど巻き返しに懸命だ。
2区は自民衛藤が選挙区内でまんべんなく浸透し安定した戦い。前回比例復活した社民吉川は労組票を中心に支持拡大を図るが、苦戦を強いられている。
3区は7選を狙う自民岩屋が足場を固め大きくリードしている。民主浦野は支持に広がりを欠き厳しい。
.
 《宮崎》
自民が前回に引き続き全3選挙区を独占する勢い。1区は自民武井が公明支持層もまとめ優位。維新外山は無党派層への浸透を図るが、思うように支持は広がっていない。民主村尾は知名度不足が否めず、厳しい。
2区は5選を目指す自民江藤が無党派層にも浸透して安定した戦いを見せる。共産吉田は政権批判票の取り込みを狙うが、伸び悩んでいる。3区は自民古川が強固な後援会組織と知名度を背景に幅広く支持を集め盤石。共産来住は他党の支持層に浸透できていない。
 《鹿児島》
1区は、自民保岡が幅広い年代の支持を取り込み先行する。民主川内と維新山之内は野党競合で政権批判票を食い合い苦戦。2区は、自民金子が共産祝迫に大きく水をあけている。
3区は、前回、国民新公認で当選した無所属野間と自民宮路が横一線の戦い。野間は民主、維新支持層にも食い込み支持を拡大。宮路は父親の地盤を引き継いだが、自民支持層をまとめきれていない。4区は、無党派層の支持でも優位な自民小里が、社民野呂らを突き放す。5区は、自民森山が安定した戦いぶり。
《沖縄》
三つどもえの1区は自民国場が一歩リードし、街宣で浮動票を開拓。赤嶺は共産色を弱めて支持拡大を狙う。維新下地は出遅れた。
一騎打ちの2区は社民照屋が一部保守層にも食い込み、安定した戦い。自民宮崎は会合などで丁寧に政策を訴え、追い上げを図る。
3区は生活玉城が優位に選挙戦を進め、無党派層にも支持を広げる。自民比嘉は推薦を得た公明の支持層を固め、巻き返しを期す。
4区は知名度を強みに自民西銘がやや優勢な展開。追う無所属仲里は新知事の翁長雄志の支援を受けて知名度アップに躍起だ。(産経)
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました