17956 自民が地滑り的勝利へ    古澤襄

■安倍首相に信任再び 米ウォール・ストリート・ジャーナル
14日投開票された衆議院選挙で安倍首相率いる自民党が過半数を確保し、地滑り的な勝利を収める見通しになった。国内メディアが出口調査の結果を一斉に伝えた。安倍首相は積極的な成長戦略、防衛力の強化など野心的な政策課題を追求するための国民の信任を新たに得た。
安倍首相は解散総選挙に打って出て、それを自らの経済政策「アベノミクス」に対する信任投票だと位置づけるという賭けに出た。その賭けは日本経済がつまずいているにもかかわらず奏功し、首相の任期は最大4年間延長された。しかもこの間に重要な選挙の予定はない。
NHKなどによると、自民党は300議席(公示前295議席)に迫る勢いで、公明党と合わせた連立与党が衆院の3分の2にあたる317議席を確保する見通し。3分の2を確保すれば、衆院可決後に参院で否決された法案の再可決が可能となる。
選挙に大勝しても、安倍首相がこの先に直面する課題が容易になるわけではない。積極的な景気刺激策にもかかわらず景気は後退しており、政府は追加刺激策を迫られた。食品や素材の価格高騰、所得格差の拡大、膨張する政府債務といったアベノミクスの副作用へのいら立ちが、ここ数週間でさらに高まっている。
安倍首相は来年、原発の再稼働や日本の防衛力を高めるための法律改正など、不人気な政策での決断も迫られる。
自民党が勝利したとはいえ、その結果は安倍氏の人気を裏付けるものではなかった。連立与党は、弱体化した野党とその連携能力のなさから恩恵を受けた格好だ。多くの有権者が安倍首相にさらなる時間を与えようという気になったのは、他に頼りになる政党がなかったからだ。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
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