■イスラム過激派「パキスタン・タリバン運動」の犯行
パキスタン北西部ペシャワールでタリバン系の武装勢力が16日、陸軍が運営する学校を襲撃し、少なくとも141人が死亡した。犠牲となったのは主にこの学校の生徒で、パキスタンでも最悪の部類に入る襲撃事件となった。
犯行グループは引き続き、生徒らを人質に取って学校内にとどまっている。複数の政府関係者によると、事件発生から9時間ほどが経過したものの、襲撃は続いている。
事件が始まって以来、陸軍と警察が学校を取り囲んでいる。陸軍高官によると、夕暮れまでに治安部隊が犯行グループのうち6人を殺害し、学校の広い敷地内の大部分を制圧した。犯行グループが学校内に複数の爆弾を仕掛けたことから、対応に時間がかかったという。
この学校に通うアミール・アメーン君は、けがを負ってペシャワール市内の病院に運ばれた。アメーン君によると、試験中だった教室に銃を抱えた2人が入ってきて、生徒の頭を目がけて1人ずつ銃撃した。
この2人はパキスタン北西部やアフガニスタンで使われるパシュトン語を話し、「神は偉大だ」と繰り返し叫んでいたという。
イスラム過激派「パキスタン・タリバン運動」の広報担当者を務めるムハンマド・クラサニ氏は犯行を認めた。「ワジリスタンでの軍事活動に対する報復」として自爆テロリストを派遣したと述べ、学校の「上級職員」が襲撃の狙いだったと説明した。
パキスタン・タリバン運動は2年前、今年のノーベル平和賞に選ばれたマララ・ユスフザイさん(17)を殺害しようとしたことでも犯行を認めている。
ユスフザイさんは声明で「ペシャワールで起きた無慈悲で冷酷なテロ行為に心を痛めている」とし、「罪のない子供たちが自分の学校でこのような恐ろしい目に遭ってはならない」と述べた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
杜父魚文庫
17968 パキスタンの軍学校襲撃、140人以上が死亡 古澤襄

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