沖縄県の翁長(おなが)雄志(たけし)知事は26日、内閣府で山口沖縄相と会談し、沖縄振興への協力を要請した。知事就任以来、翁長氏が閣僚と会談するのは初めてだが、安倍首相、菅官房長官との会談は実現しなかった。翁長氏は、政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設に反対の立場のため、「振興予算額を要望通り認めるのは難しい」(政府筋)との見方も出ている。
翁長氏は会談で、2015年度の沖縄振興予算の概算要求(3794億円)を満額計上するよう求めた。山口氏は努力する考えを伝えたが、会談に先立つ記者会見では「消費増税を先送りし、財政的に厳しい」と語り、減額の可能性を示唆した。菅官房長官も26日の記者会見で「振興費が具体的にどう使われているのかチェックした上で、査定する」と述べ、要望を慎重に見極める考えを示した。
政府は、14年度予算では概算要求(3408億円)を上回る3501億円を計上した。移設先の埋め立て工事を承認した当時の仲井真弘多(ひろかず)知事を後押しする狙いだった。翁長氏に対しては、自民党内からも「移設は認めないが振興策は欲しい、では虫が良すぎる」との声が出ている。(読売)
杜父魚文庫
18059 沖縄相が振興費減額示唆 翁長知事と初会談 古澤襄

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