大晦日の午前四時。まだ外は暗い。二階の書斎でPCを開く。三〇日のブログで読者が関心を示したトップ五をまず見てみた。宮崎正弘さんの「書評 ”愛される日本”」がトップ。書評がトップなのは珍しい。気品が高い成人皇族・佳子さまの記事が五位でよく読まれている。
①書評 『愛される日本』 宮崎正弘
②中国版紅白歌合戦からも「出ていけ」と嫌われる韓流 古澤襄
③日韓首脳会談、展望開けず 古澤襄
④「31日から大荒れ」 古澤襄
⑤佳子さま 20歳の誕生日 古澤襄
大晦日のグーグル・ニュースでは大韓航空の前副社長が逮捕された記事がトップ。大韓航空社長のバカ娘が逮捕された事件がトップ・ニュースになるとは情けない。爽やかな佳子さまと比較してみるがいい。日韓の違いが歴然としている。
■“ナッツ騒動”大韓航空前副社長を逮捕
<韓国の大韓航空の前副社長が乗務員のナッツの渡し方に激怒し動き始めていた航空機を引き返させた問題で、検察当局は30日夜、航空保安法違反などの疑いで前副社長を逮捕した。 逮捕されたのは大韓航空の前副社長・趙顕娥容疑者。趙容疑者は今月5日、乗務員のナッツの出し方に激怒し、責任者を降ろすため動き始めた航空機を引き返させた。
検察は趙容疑者の行為は運航の安全を脅かすもので航空保安法などに違反する疑いがあるとして逮捕したもの。 趙前副社長は財閥オーナーでもある大韓航空の社長の長女で、今回の事件は財閥の横暴を示すものとして国民の怒りを買っていた。また、趙容疑者をかばうため関係者にウソの証言を迫ったとして大韓航空の常務が証拠隠滅などの疑いで逮捕された。(日本テレビ)>
一月十八日の民主党代表代表選挙で、立候補が噂されていた蓮舫元行政刷新担当相が、推薦人20人確保できずに立候補を断念、代表選は細野豪志元幹事長、岡田克也代表代行、長妻昭元厚生労働相による三つ巴の争いになりそうだ。誰が代表に選ばれても政権獲得の道は遠い。
昨夕、保守政界の女帝から電話を頂戴した。
「元気?いくつになった?」
「八十三です」。実は八十二歳と十ヶ月、多少、サバを読んでいる。
「先生は?」
「九十六よ!」声に張りがあって、応答も確か!
話は戦後、吉田自由党が発足した頃に飛んだ。記憶力が抜群でいささかも衰えを感じさせない。吉田茂、鳩山一郎、池田勇人、佐藤栄作と歴代首相から信頼が厚かったこの人は首相官邸にフリーパス。いくつかの特ダネを頂戴している。もっとも通信社がニュースを流すと新聞・テレビがすぐ追いかけるから特ダネが特ダネでなくなる。通信社の宿命といえよう。
岸政権が倒れて池田内閣が誕生した時のことである。首相官邸のテント村で幹事長人事を各社が追いかけていた。各社ともYで速報。共同は福田亮太官邸長だったが、Yの速報をなかなか打たない。旧制第一高等学校で駒場寮の寮長だった福田官邸長が
「副総理室に行ってこい。共同もYでいく、と言って反応をみてこい」と私に命じた。副総理ではない。副総理室だから首を傾げながら、官邸の暗い廊下を駆け足で副総理室まで行って福田官邸長の言葉を女帝に告げると
「共同も誤報をするの?」
戻って女帝の言葉を伝えたら、福田官邸長が仁王立ちとなって
「共同は益谷幹事長でいく!」
同じことが、ポスト益谷でもあった。この時も各社はY幹事長有力で走った。こんどこそY、というわけである。私も疑わなかった。ふっと、池田内閣の発足当時を想い出した。福田亮太氏はすでに共同を去って、電通に移っていた。念のために女帝に電話を入れた。
「そう、明日の朝七時前に渋谷の前尾邸に行ってみなさい」
半信半疑で前尾邸に行ったら新聞・テレビは誰も来ていない。前尾繁三郎さんが眠そうな顔で出てきた。瞬間的に今度は女帝も当たらなかったと観念した。各社ともY邸に詰めかけていた。
「まあ、上がれ」と前尾さんは言うので、応接間で前尾さんと二人で朝飯をボソボソと食べるはめとなった。
八時過ぎ、前尾邸の電話が鳴った。信濃町の池田邸からの電話。飯もボソボソだが、電話もボソボソ。応接間に戻った前尾さんは憮然としている。
「幹事長を引き受けることにしたよ」
「え!」と飛び上がった私。電話を借りて、政治部の酒井デスクに速報したら「前尾幹事長で決定」と大声で叫ぶ声が聞こえた。
それも、その筈である。女帝は池田首相から直接、主要人事を聞いていたのである。そんな昔話を女帝にしたら
「悪いけれど、あなた達に漏らしたのは、ほんの一部。大部分は言っていないのよ」
そう言った後で
「安倍ブレーンは誰かしら?」と謎をかけられた。
「菅官房長官か、麻生副総理でしょう」
言っている私も自信がない。
女帝は「ウフフ・・」。何とも気になるウフフ。
杜父魚文庫
18084 何とも気になる女帝のウフフ 古澤襄

コメント
本年もお世話になりました。