18129 米議会と大統領の攻防火ぶた 大統領選にらみ与野党    古澤襄

■ブッシュ氏も本格始動
【ワシントン=加納宏幸】米上下両院で8年ぶりに野党・共和党が多数を握る第114議会が6日招集された。中間選挙の勝利で勢いづく共和党は早速、オバマ大統領が難色を示す法案を提出して揺さぶりをかけた。2016年大統領選への立候補が取り沙汰される共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事も本格始動するなど、大統領選をにらんだ与野党の主導権争いは早くも激化している。
共和党は下院(定数435)で戦後最多に並ぶ246議席(247人が当選したが5日付で1人が辞職)を確保。上院の実質トップに共和党のマコネル院内総務が就き、下院は同党のベイナー議長が再任された。
下院議長の選出では、保守系草の根運動「ティーパーティー(茶会)」に近い25人が、政権と妥協姿勢を示すベイナー氏を嫌い、別の人物に投票する造反劇を演じたが、ベイナー氏の再任阻止には至らなかった。
議会共和党は6日、カナダの原油を米国に運ぶパイプライン「キーストーンXL」の建設を承認する法案を提出。オバマ氏は環境保護の観点から建設反対の立場で、アーネスト大統領報道官は6日の記者会見で「議会を通過しても大統領は署名しない」と、対決姿勢を打ち出した。キューバとの国交正常化、移民制度改革、地球温暖化対策でも与野党は激突しそうだ。
ただ、オバマ氏は6日、「意見が異なる分野はあるだろうが、国民のために合意できる分野は非常に多いと確信する」と記者団に語り、議会との協調を探る姿勢も示した。13日にはマコネル、ベイナー両氏らをホワイトハウスに招き、税制改革などで協力を求める。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の合意に不可欠とされる大統領貿易促進権限(TPA)法案の一致点も模索する意向だ。
一方、共和党では「オバマ後」をにらんだ動きも急だ。同党穏健派の支持を受けるブッシュ氏は6日、政治資金の受け皿となる政治活動委員会(PAC)「向上する権利」を設立。自らのフェイスブックに掲載した英語とスペイン語の動画では、「全ての米国人に向上することを認める保守主義」を支持する候補者を後押しすることが活動委設立の目的だと説明した。
この活動委はブッシュ氏自身の選挙資金集めが目的ではないが、同氏は最近、自らのサイト上などで積極的に政見を披露しており、正式な出馬表明への布石との見方が広がっている。(産経)
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