「旧約聖書から発した同根のキリスト教もイスラム教も砂漠の一神教、多神教国家・日本の寛容性がない」と友人の泉全英和尚と酒を酌み交わしながらオダをあげたことがある。
とはいえ、世界で16億の信徒がいてキリスト教徒に次いで信者が多いイスラム世界である。これを無視して日本が世界に雄飛することはあり得ない。日本にも数千~数万程度のイスラム教徒がいると推定されている。
だが暴力と殺戮を厭わないイスラム過激派の登場で寛容の精神でテロリストに臨むことは出来なくなった。
<この過激主義はエジプトのムスリム同胞団の理論家であったサイイド・クトゥブ(Sayyid Qutb)の「イスラム教国の世俗化・西洋化・共産化を志向する指導者が統治し腐敗と圧制が蔓延する現世は、イスラム教成立以前のジャーヒリーヤ(無明時代)と同じであり、武力(暴力)を用いてでもジハードにより真のイスラム国家の建設を目指さなければならない」とするクトゥブ主義(Qutbism)がイスラーム過激派の行動の原点となっている。(ウイキペデイア)
多くの日本人は忘れているが1997年にエジプトの著名な観光地・ルクソール発生した「ルクソール事件」でイスラム過激派が行った外国人観光客に対する無差別殺傷テロ事件を忘れてはならぬ。この事件で日本人10名が殺された。エジプト観光に訪れただけで無辜の旅行者が殺戮されたのである。
日本人を含めて外国人61人とエジプト人警察官2名の合わせて63名が死亡、他に85人が負傷する大惨事となった。犯人は六人と言われるが、最終的には全員が射殺された。しかしイスラム過激主義は滅びるどころか、中東地域を中心にして広がりをみせている。
イスラム世界ではトルコ、サウジアラビア、アルジェリア、セネガル、チュニジア、モロッコなど西欧諸国と価値観を共有する諸国が多数ある。東南アジアにはイスラム教徒が多くいて、日本に観光旅行に来ている。
イスラム諸国でも社会の都市化・近代化が進んだ地域では保守的なイスラム教徒が生まれつつあるという指摘もされている。日本文化に触れた在日のイスラム教徒を敵視し、テロリスト扱いするのはやめた方がいい。
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