18193 米英首脳、全力で仏支援    古澤襄

■サイバー問題でも協力強化
【ワシントン時事】オバマ米大統領は16日、ホワイトハウスでキャメロン英首相と首脳会談を行った。大統領はその後の共同記者会見で、パリで発生した連続テロ事件を裁くため、フランスに対し「われわれは全力で必要な支援を行う」と表明した。また、同盟国・友好国と団結して「テロネットワークを打倒する」と強調した。
 
キャメロン首相も、パリやナイジェリアなどでのテロを受けて「世界はテロリズムによって病んでいる」と指摘。米英の共同作業グループを新たに設置し、国内の暴力的な過激主義への対応策を見いだしていくことで合意したと明らかにした。
 
両首脳はまた、サイバーセキュリティーに関し、情報共有やインフラの改善を含む両国間の協力を強化する方針で一致した。ロシアが軍事介入するウクライナを支援する一方で、外交的に危機が解決されるまで対ロ経済制裁を継続する考えも確認した。(時事)
 
根性が悪いと言われそうだが、欧米のやることは”裏筋じ”を読む癖が抜けない。EUで斜に構えるフランスだったから、アメリカも距離を置いて付き合ってきた。やはり血は水よりも濃い。イギリスとアメリカの方がとどのつまりは仲がいい。
 
そのイギリスだが、キャメロン政権は必ずしも安定した状態にはない。総選挙でEU脱退派が伸びる可能性すらある。おまけにドイツのアンゲラ・メルケル首相とキャメロンは仲が良くない。EUを脱退するなら、脱退してみろとメルケルは突き放している。
 
そんな欧州情勢下でパリ・テロ事件が起った。日和見だったフランソワ・オランド大統領が一気に一万の武装警察を動員してテロとの対決姿勢を鮮明にした。さらにオランドは14日、年頭演説を仏南部トゥーロンに停泊中の原子力空母「シャルル・ドゴール」艦上で行い、同艦をペルシャ湾に派遣すると表明した。
 
イラクやシリアを拠点とするイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討のため、米軍など有志連合が進める軍事作戦の支援に当たると踏み込んだ。
 
欧州情勢が動いたのだから、孤独な戦いを強いられていたアメリカが好機ととらえた。早速、ケリー国務長官がパリに飛び、アメリカはフランスを全面支援するとオランドに約束した。
 
18日にはホワイトハウスでオバマとキャメロンが首脳会談。フランスに対し「われわれは全力で必要な支援を行う」と表明している。米英仏連合の結束の固さを内外に誇示したことになる。さてEUの大国・ドイツのメルケルは音無の構え。ロシアのプーチンも黙っている。欧州情勢の変化をどうみているのだろうか。
 
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