■仏風刺紙襲撃でローマ法王
【マニラ】フランシスコ・ローマ法王は15日、パリで先週起きた仏風刺週刊紙シャルリー・エブドの襲撃事件について、「神の名において人を殺害するなどしてはならない。異常なことである」と非難した。その一方で、「表現の自由には制限がある」とし、他人の信仰をあざ笑う者は激しい、場合によっては暴力的な反応を引き起こしかねないと警告した。
法王はその例として、誰かが自分の母親を侮辱した場合を仮定し、「暴力を振るうことはできないが、侮辱した者はパンチを受けることが予想される」と発言した。法王は、1週間にわたるアジア歴訪の最初の訪問国スリランカから、マニラに向かう機中で行われた記会見で語った。
仏襲撃事件を受けて、イスラム教指導者からは同紙は預言者ムハンマドを卑猥に風刺して描き、一線を越えたと不満の声が出ている中で、法王のこの発言は表現の自由をめぐる論争に一石を投じた格好だ。法王は「どの人にも自由はあるが、一方で公共の利益の名の下に発言する際には義務も伴う。いずれの宗教も尊厳を持っており、それをからかってはならない」と語った。
法王はまた、待ち望まれている環境に関する初の回勅について、6月か7月に出されようと述べた。地球温暖化は人間の活動によって引き起こされたのかどうかについて、法王がはっきりとした姿勢を示せば、論争を巻き起こしそうだ。
法王は、地球の資源の収奪についてしばしば警告し、貧困国を高潮などの天災が襲うことへの懸念を表明している。そのため法王は回勅で、地球温暖化は人間の活動がもたらしたとの見方に同意すると予想する向きもある。そうなれば、環境保護派にとっては大きな後押しとなる。ただ法王は会見で、人間は「自然を乱開発している」とし、アマゾン川流域での森林伐採に対しカソリック教会の指導者が懸念を表明していることに言及しただけだった。
法王の今回のフィリピン訪問では、2013年の台風で大きな被害を出した中部レイテ島タクロバンを訪れ、大規模なミサを開くことになっている。法王は9月には米国を訪問する予定。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
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コメント
法王のコメントはぶれてないと思う。
西欧諸国中心の価値観や思想を通そうとするある種のおごり。
産経新聞の曽野綾子さんのコラムにも宗教に立ち入ることへのタブー、これなんです。
そういえば靖国参拝もこの延長線上?
確かに報復殺人は断じて正当化も許されるべきでもないが。