18227 ウィンドウズ10について五つの疑問     古沢襄

ソフトウエア大手の米マイクロソフトは21日の記者会見で、同社主力商品の次世代版「ウィンドウズ10」の詳細を発表した。マイクロソフトがモバイル化、ソーシャル化、そしてクラウド化が進む世界を引き付けようとするなか、多くはウィンドウズ10に大きく左右される。以下にウィンドウズ10についてわれわれが是非とも知りたいと思っている点を5つ挙げてみたい。

 1. 人々(と企業)はそれを欲しがるか

現行のウィンドウズ8は勢いを得ることができなかった。分析会社のネット・アプリケーションズによれば、ウィンドウズパソコンでウィンドウズ8を搭載するものは15%に満たない。キーボードとマウスの付いているコンピューターでウィンドウズ8を試した人々の多くは、タッチスクリーン式のインターフェースへの不満を口にしている。われわれの見てきたものから考えると、次世代版ではおなじみの外観と感触が復活した。

 2. それはウィンドウズ・フォンに命を吹き込むか

マイクロソフトは、フィンランドのノキアの携帯端末事業を95億ドル(現在のレートで1兆1200億円)で買収したが、顧客、開発者、それにクールさの大部分は、依然としてアップルのiPhone(アイフォーン)とグーグルのアンドロイドにある。販売される新品のスマートフォン100台のうち、ウィンドウズ・フォンは3台しかない。

ウィンドウズ10は、ビジネスのこの部分を後押しする可能性がある。ウィンドウズパソコン向けに開発されたアプリケーション(応用ソフト)と無数のユーザーは、それほど特別の努力を払うことなくウィンドウズ・フォンを使えるだろう。これにより、ウィンドウズ・フォンは開発者にとってより魅力的なプラットフォームになると思われる。アプリの数が増えてもウィンドウズ・フォンが自力で砂漠を抜け出すことはできないだろうが、助けにはなるだろう。

 3. われわれに新たなブラウザは必要か

マイクロソフトは、アプリがモバイルのウェブブラウザほど重要でないとわれわれを説得しようとする可能性がある。うわさのモバイルブラウザ「スパルタン」にはさまざまな機能が搭載されると報じられている。タブの管理の仕方、ペンやスタイラスペンの使い方、それにウィンドウズ・フォンのパーソナルアシスタント機能「コルタナ」との統合の仕方について、新たな手法を提供するなどだ。どのような利点があるにせよ、マイクロソフトは、ブラウザがあふれている世界に対してブラウザがもう一つ必要だと主張し、納得させなければならない。

 4. それはどのハードウエア向けの設計なのか

マイクロソフトは、ウィンドウズ8にモバイルのようなユーザーインターフェースを採用することで、タブレット端末に大きく賭けた。この際、同社は大半の人々がマウスとキーボードでウィンドウズを使っている点をほぼ無視していた。サーフェス・プロ3などのデバイスは、ノートパソコンとタブレット端末の架け橋と呼ぶ方向に大いに進んだ商品であり、ウィンドウズ10が出ることで、これらのハードウエアはより便利になる可能性がある。

 5. 価格と発売時期

アップルはマックOS X(テン)を無償で提供し始めた。ウィンドウズ7のユーザーが8にアップグレードするには120ドルかかった(8から8.1へのアップグレードは無料)。マイクロソフトはウィンドウズ10の価格はウィンドウズ7以降のバージョン・ユーザーは1年間は無料でアップグレードできる。発売は年後半の見通し。(米ウオールストリートジャーナル)

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