18256 政府、「衝撃メール」12時間極秘扱い    古沢襄

拘束が続く湯川遥菜(はるな)さん(42)が殺害されたように見える画像が24日夜、突然インターネット上に公開され、膠着(こうちゃく)状態から急展開を見せた邦人人質事件。政府は翌未明に緊急会見、首相声明が急遽(きゅうきょ)発表され騒然となったが、画像は12時間以上前にもたらされていた。イスラム国を名乗る犯行グループに翻弄される官邸と関係当局の緊迫の舞台裏を探った。(SANKEI EXPRESS)

■24日午前、後藤さん妻に

「思わず息をのんだ」。画像を見た政府関係者が声を潜めて打ち明けた。フリージャーナリストである後藤健二さん(47)の妻に届いたメール画像に、現地で殺害された湯川さんとみられる写真を手にした後藤さんの姿が写っていた。

メールが送りつけられたのは24日午前。「週末に動きが出てくるかもしれない」。前夜、周囲にそう漏らしていた官邸筋の感触を裏付けるような動きだった。メールの情報は、官邸と外務省、警察庁の限られた一部だけで極秘に共有され、画像の信憑(しんぴょう)性の分析が進められた。

現地対策本部が置かれたヨルダンでは、中山泰秀外務副大臣(44)が午後3時半(現地時間午前8時半)の予定を急遽早めて本部に入った。

「後藤さんの妻に2人の安否を伝えるメールが届いたらしい」「2人が殺害されているとの情報がある」。午後には、霞が関や永田町でも情報が飛び交い始めていた。

「翻弄されている」

警備局長をトップに約110人態勢で情報収集に当たる警察庁。報道陣から安否の問い合わせが殺到したが、幹部は「命にかかわる情報は一切答えられない」「ノーコメント」と繰り返すばかりだった。

「犯行グループに翻弄されている気がする」(政府関係者)

表向き沈黙を続ける日本政府に反応を促すかのように、午後11時すぎになって画像がネット上に公開された。

「言語道断の許し難い暴挙」「後藤氏を直ちに解放するよう強く要求する」。官邸で菅義偉官房長官(66)が緊急記者会見、関係閣僚会議が開かれ、安倍晋三首相(60)が声明を発したのは25日未明。最初のメールから12時間以上が経過していた。

記者会見に臨んだ菅官房長官は、犯行グループと接触できているか問われると「それはない」と述べるだけだった。(産経)

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コメント

  1. 大橋圭介 より:

    外務省の仕事のなかに、海外にいる日本人の生命・財産の安全を守ることは、存在しないのだろうか。そうであれば、二人の日本人が、危険な場所に拘束されてることがいま、わかったとゆうのが、理解できます。しかし、もし、二人の日本人が拘束されてるのが、たとえば、11月あたりに分かってたとしたらなぜ、その時点で、外務省は行動を起こさんかったのか?
    外務省の仕事の枠外だったとしても、理解に苦しみます。

  2. Apeman より:

    このブログ主の最大関心事は、「後藤氏」の解放の様です。
    ご自身の意志で「死地」に乗り込んだ御仁の決断は、それなりに尊重・評価いたします。
    ですが、この事件だけに焦点を絞るのは如何なものでしょうか?
    日本国・日本人に対する不当な捏造記事を報道し続けていた新聞社への、論評・記事掲載がないのは如何なものでしょうか?

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