ヨルダン政府は「イスラム国」に拘束されているパイロットの安否確認を強く求めている。アンマンには米CIAの要員が入っていて活発な諜報活動をしていたから、パイロットの生存を疑う何らかの情報があったのではないか。
米CNNは「何らかの事故による死亡もあり得る」とも伝えている。
もしパイロットの死亡説が正しいとヨルダン政府は後藤健二さんとサジダ・リシャウィ死刑囚の一対一交換という難しい選択をしなくてはならない。
死亡説が事実かどうか真相はまだ分からないが、いずれにしてもヨルダン政府がサジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を拒んだことで、後藤健二さんにとって厳しい局面に立たされたのは間違いない。
■イスラム過激派組織「イスラム国」とみられる組織が、後藤健二さんと引き換えになる死刑囚をトルコ国境に連れてくるよう期限を設けて求めていたことに対し、ヨルダン政府は「イスラム国」に拘束されているパイロットの生存が確認できないとして、死刑囚の引き渡しに応じていません。
後藤健二さんを拘束している「イスラム国」とみられる組織は、現地時間の29日の日没まで(日本時間の29日深夜まで)に、後藤さんと引き換えになるサジダ・リシャウィ死刑囚をトルコ国境に連れてくることを求め、応じなければ拘束しているヨルダン軍のパイロットを殺害するとしていました。
ヨルダンのモマニ・メディア担当相は、日本時間の29日夜、会見を行い、「ヨルダン政府は、パイロットと引き換えにリシャウィ死刑囚を釈放する用意があるが、パイロットの生存が確認できず、次の段階に進むことができない」と述べ、死刑囚の引き渡しに応じていないことを明らかにしました。
そのうえで、モマニ・メディア担当相は「日本人の人質を取り戻すためにあらゆる努力を続けている」と話し、後藤さんの解放に向けて日本側と連携していることを明らかにしました。
この期限とされていた日本時間の29日午後11時半がすぎ、現地はすでに夜になっていますが、これまでのところ、「イスラム国」とみられる組織から新たなメッセージなどは出ておらず、パイロットの安否は分かっていません。
このパイロットの親族たちは、期限が過ぎたあと首都アンマンで記者会見を行い、「問題解決に向けた動きが止まってしまった。パイロットを解放してくれるなら、同じイスラム教徒であるヨルダンの人々はあなたたちに大いに感謝するだろう」と述べ、「イスラム国」に向けてパイロットを解放するよう訴えました。(NHK)
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