■「イスラム国」と神経戦
【アンマン=溝田拓士】イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件は31日、ジャーナリストの後藤健二さん(47)とサジダ・リシャウィ死刑囚の交換期限から1日半が経過した。
イスラム国は29日に一方的に期限を示して以降、新たなメッセージなどを公表しておらず、リシャウィ死刑囚を収監しているヨルダン政府との神経戦が続いている模様だ。後藤さんと、イスラム国に拘束されているヨルダン軍パイロットのムアズ・カサースベ氏(26)の安否は依然不明のままだ。
イスラム国は29日のメッセージで、後藤さんとリシャウィ死刑囚の「1対1」の交換を強く要求した。これに対し、ヨルダン政府は同日、カサースベ氏が生存している確証が得られるなら、カサースベ氏とリシャウィ死刑囚の交換には応じる用意があることを改めて強調した。双方の主張はすれ違っている。
イスラム国は、29日の日没(日本時間同日深夜)までにリシャウィ死刑囚をトルコ国境に連れてくるようヨルダン政府に求めたが、ヨルダン政府は応じなかった。その後、イスラム国、ヨルダン政府とも、動きがない状態が続いている。
ヨルダンでは、水面下で双方による交渉が行われているとの見方もある。後藤さんに関する情報は、ほとんどない模様だ。ヨルダンは、人質交換交渉に動く前提として、カサースベ氏の生存保証を繰り返し主張しており、イスラム国からの反応がなければ、事態の進展はみられない情勢だ。(読売)
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