18354 ギリシャは3月初めにも資金不足に陥る恐れ    古沢襄

ギリシャは、さらなる国際的資金援助がなければ、3月初めに資金不足に陥る恐れがある。複数のギリシャ政府高官が明らかにした。

新政権に減税を期待して納税をやめた国民が数多くいるため、ここ数週間で税収が急激に減少している。スタタキス経済相によると、12月の税収は前月比で7%減り約15億ユーロ(2020億円)落ち込み、1月も同程度減ったと見られている。

経済相は「税収が回復しなければ3月には流動性に問題を抱えるだろう」と語った。他の政府高官は2月以降、年金など給付金の支払いが難しくなると警告を発した。

当初計画した金融支援交渉が失敗に終わって以降、ギリシャ政府は来月資金不足に陥らないよう、国内外で懸命に対策を探っている、と政府関係者は述べた。

5日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で、ギリシャは45億ユーロの短期債追加発行の許可を求めたが、4人の欧州高官によると欧州中央銀行(ECB)は即座にこの要望を退けた。

ギリシャは、6月までに2400億ユーロの国際金融支援の条件を再交渉したいと考えている。当面の債務支払いをまかなうために、ユーロ圏諸国に対してつなぎ融資を求めている。スタタキス経済相によると、その金額は40億ないし50億ユーロだ。

ドイツをはじめとする他のユーロ圏諸国がつなぎ融資の提供に対する姿勢を軟化させなければ、ギリシャは「50億ユーロ超で破綻する最初の国になるだろう」とスタタキス経済相は語った。

経済相は、他の国々が保有するギリシャ国債がもたらした19億ユーロの利益をギリシャ政府は求めていると語った。加えて、短期国債を発行して20億ユーロを追加調達できるよう、ユーロ圏諸国に許可を求めていることも明らかにした。

ギリシャ政府は、通常の財政運営需要の他に、今後数カ月で返済する大型債務がいくつもある。たとえば、春には国際通貨基金(IMF)に40億ユーロ程度、ECBには約70億ユーロの支払いがある。

5日の協議でユーログループはギリシャに対し、11日に同国の財政状況を協議する特別会合を開くので、それまでに何らかの資金調達計画をまとめるよう求めた。ある高官によると、ユーログループ議長が対案を用意する。年末以降までギリシャが必要とする金額が定かにならないので、いまのところ新たな金融支援の具体的な規模は協議されていないと言う。(米ウオールストリートジャーナル)

 
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