18366 北朝鮮、「海上長距離砲」初公開    古沢襄

■韓国哨戒艦に致命的 

北朝鮮が、韓国海軍の艦艇に致命打を与えることができる新型艦対艦ミサイルを公開した。北朝鮮の朝鮮中央通信と労働新聞は7日、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が視察した中、北朝鮮の艦艇が発射したミサイルが海上に浮いているターゲットを撃破する訓練の全過程を公開した。北朝鮮が艦対艦ミサイル発射の様子を公開したのは初めて。
 

両メディアは、「最高司令官・金正恩同志の意志を高く崇め、力強く立ち上がった国防科学部門の科学者、技術者、軍需労働階級は、新型対艦ミサイルを最先端のレベルで開発する成果をあげた」と報じた。

そして、「近く実践配備し、我々に対して軍事的攻撃を企てる敵の艦船集団との接触戦、非接触戦のいずれにおいても強硬に対応できるようになった」と明らかにした。試験発射は、北朝鮮海軍第155部隊がチン・チョルス東海艦隊長(少将)の指揮の下で行われた。

金第1書記は、新型ミサイル開発のレベルに満足し、「現代戦のいかなる作戦、戦闘でも主導権を確実に握ることができる高度で精密化・知能化された戦術誘導兵器を多く製造せよ」と注文した。韓国軍関係者はこの訓練について、「北朝鮮が6日、元山(ウォンサン)沖合で試験発射を行った。ミサイルは約100キロ飛んだ」と明らかにした。

北朝鮮の新型ミサイルは、ロシアが1990年代に開発したKh35対艦ミサイルを模倣したKN系ミサイルと推定される。Kh35は最大音速の0.8倍で、電波かく乱もほとんど受けず、最大130キロ離れた艦艇を追跡して破壊することができる。

最大射程もスティックス艦対艦ミサイル(最大射程80キロ)より50キロ長い。特に、海上15メートルの超低高度で飛行し、ターゲットに近づけば高度をさらに下げて攻撃するため、レーダーで探知して迎撃することは難しい。

北朝鮮の新型ミサイルは、西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)を守る韓国海軍の艦艇に大きな脅威となる。

韓国型駆逐艦(KDX)と新型護衛艦は、ミサイル「ラム(RAM)」やゴールキーパーなどの迎撃手段を備えているが、旧型の哨戒艦と護衛艦はチャフ(敵レーダーの信号をかく乱する金属箔片)しかない。西海NLL最前方に配備された海軍の高速艇は対応手段が全くない状態だ。

北朝鮮は、地上の長距離砲のように海でも射程の長い対艦ミサイルで韓国海軍に対する質的劣勢を挽回しようと「非対称戦術」を駆使しているとみえる。

同日、ミサイルを発射した北朝鮮の新型艦艇(300トン級・推定)も初めて公開された。この艦艇は最大時速90キロで航海でき、レーダーが捉えにくいステルスの形状で設計されている。4機の新型艦対艦ミサイルと高速近接防空機関砲を装着している。軍は、北朝鮮の新型ミサイルと艦艇の公開を来月の韓米合同演習を狙った武力示威と見ている。(韓国・東亜日報)

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