18397 反腐敗キャンペーン、軍隊にも厳格に適用すると習近平    宮崎正広

■副業禁止の代わりにサラリーを60%増やすというが、その財源は?

中国人民解放軍の汚職は凄まじい。

そのうえ、これは中国人の体質であり、数千年もかわらない習俗でもあり、一朝一夕に是正される筈がないのである。

とくに総装備部と総後勤部は利権の巣窟、賄賂が飛び交う伏魔殿と言われ、高級軍人等は「腐敗館」と呼ばれる豪邸に住んでいる。

制服、制帽、軍靴の業者からのリベート、装備品は員数のごまかしからミサイルは囮と称してセメントで誤魔化し、予算をちょろまかす。新兵の親からは賄賂、契約している売春屈経営者からも賄賂。あげくに死刑囚の臓器売買!

すでに徐才厚(前軍事委副主任)、谷俊山、王守業らは悪事を暴かれて失脚したが、いまも16名の高級軍人が拘束、取り調べを受けている。

1月17日に習近平は軍幹部を集めた会合で「軍人(武装人民警察を含める)の副業は厳格に禁止する」と通達した。

また飲酒、宴会の禁止、幹部を迎える赤絨毯の廃止、贅沢な会合の禁止、そして会議でも無内容な発言を慎め等とした。

それほど窮屈な軍隊となれば、多くの軍人はむしろ不満をたかめるだろう。午後五時から宴会場となり、マオタイ酒が飲み放題だった。それが楽しみだった軍人から享楽を奪って、かれらは共産党に忠誠心を維持し、命じられるがままに戦争に行けるのか?

代わりに提示されたのは給与の62%アップ、しかも現職ばかりか、退役軍人を主体とする民兵の手当、軍人恩給も60%上げるという。

民兵だけでも3900万人もいるのに?

昨年だけでも共産党内部で汚職容疑で失脚もしくは左遷、停職処分をうけた党員が232000人にのぼった。例年の三倍の数字である。

しかし軍系列のホテル、貿易会社、関連企業など多くの軍関連ビジネスについて、或るいはデベロッパーと組んでの軍用地転売や鉄道輸送の権利売買など、巨大な利権をそのまま放置するとは考えにくいうえ、財政的にも給与アップの財源をいかに確保するのか代替案は不透明である。

アメリカの研究機関の多くは、この軍綱紀粛正、汚職追放の効果に懐疑的である。

 
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