18456 楽観的なCNNのモスル奪回作戦    古沢襄

■急ごしらえのイラク軍に期待できるのか

二月二十二日午前七時現在のブログ・アクセスでトップ5は興味深い。コリアン・ウオッチャーで定評がある黒田勝弘氏の「①歴史認識が問われる韓国」がダントツで読まれている。

ロシアから五月の「対独戦勝70周年記念式典」に招かれている朴大統領が、お得意の歴史認識の矛盾に直面して「モスクワに行くべきか、行かざるべきか」で悩んでいると、かなり皮肉たっぷりの論評。

「②イラク軍、4月にもISIS主要拠点奪回へ」は米CNNの解説だが、私の「⑤楽観許さぬモスル攻略戦」の分析とは異なる。

強いて共通点をあげれれば、CNNは「イラク北部のクルド地域政府の治安部隊ペシュメルガは、モスル奪回作戦には直接加わらず補完的な役割にとどまる」とみている。

「クルド部隊はモスル進攻ではなく同市北部や西部でISISの補給線や退避経路を寸断する任務に当たる」と予想した。クルド側の慎重論を反映している。

精強部隊・ペシュメルガを欠いたモスル攻略戦で、弱兵のイラク軍にどれだけ期待できるのか、という私の分析につながるのだが、CNNは米中央軍よりの情報に依拠しているから、そこまでは踏み込んでいない。

モスル空爆の困難さや市街戦の懸念にもCNNは触れていない。

東から二万のイラク軍がモスル郊外に進撃すれば、二〇〇〇の過激組織ISはモスル市内から西に逃げ、ペシュメルガの三個旅団に捕捉・殲滅される・・という作戦なのだろうか。

直接、地上戦に加わらない米中央軍の楽観的な図上作戦の危うさ・・という気がしてならない。

①歴史認識が問われる韓国  黒田勝弘
②イラク軍、4月にもISIS主要拠点奪回へ    古沢襄
③「慰安婦」は韓国が解決する問題    阿比留瑠比
④HSBCスイス支店をジュネーブ検察が手入れした 宮崎正広
⑤楽観許さぬモスル攻略戦    古沢襄
 

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コメント

  1. 大橋 圭介 より:

    古沢さんの見解に同感です。米国の重なる失敗は、机上の遊びからきてると、思います。

  2. H,M生 より:

    CNNのソースは、政府関係者でしょうが、
    軍事作戦の中身をこうも簡単に喋るものでしょうか。
    今のアメリカ政府は、大統領以下、あまりに言葉が軽すぎるような気がします。

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