18470 政界最古参の小沢さんは、重い責任を感じるべきだ    古沢襄

杜父魚ブログで読者が関心を持った記事・評論のトップ5やトップ10をしつこく追ってきた。

新聞がトップ記事にどれを据えるか、夕刊と朝刊の紙面構成で各紙とも編集会議で検討する。だが、これはメデイア側の判断で読者側の判断ではないから、時には当たり外れがある。

そんな思いがあるから、私が主催するブログではグーグール検索で読者が関心を持った記事・評論のトップ5やトップ10をしつこく追ってきた。これも時には当たり外れがあることは承知している。

昨年は長期入院をして自分の健康維持のために一日のサイクルを大幅に変えた。いままでは深夜二時に起きて海外外国メデイアの情報を読むのが日課であった。いまでは四時起き。

まず居間でスプーンでハチミツを二杯、コップで冷えたポカリ・スエットを一杯。バナナを一本。病室で寝ていた愛犬バロンが居間にやってきてバナナを寄越せとせがむので、半分はバロンの口に入る。

主治医からタバコは厳禁といわれているが、こればかりはやめられない。一日に二〇本は吸うから喉が痛む自覚症状が出ている。ハチミツとポカリ・スエットを食すると、不思議と喉の痛みが和らぐ。

五時になると98度の熱湯を通した玉露の粉茶を持って二階の書斎に行く。粉茶は寿司屋で出てくるものと同じだが、一杯目は茶の出が良くない、二杯目が茶の渋みが良く出ている。熱湯なので三杯目は薄味。

いつの間にか七時を過ぎた。書斎には二台のPCがあるので、一台のPCでメールの受信をみながら、一台のPCでこの記事を書いている。書斎の隣は寝室、女房が起きてそろそろ朝の散歩にバロンを連れ出しているだろう。

そろそろ下におりて、朝食の用意をせねばならない。朝食のメニューはいろいろと変わったが、今朝は水戸納豆に青首ダイコンのおろし、日本ネギをたっぷり細切れしたわが家の特別メニューでパン食。

次女から「25日はパパの誕生日よ」とメールが来た。近く来るそうだ。気がついたら、タバコはすでに九本。娘たちに叱られそうだ。

二月二十三日のトップ・10
 

①与那国の陸自配備、「賛成」が大差    古沢襄
②低支持率にあえぐ朴政権 発足2年で実績なく    古沢襄
③陸自配備、賛成が過半数 与那国町住民投票    古沢襄
④ハッカー対策、 公募やハッカー・マニア優秀者を 宮崎正広
⑤内閣支持率上昇52・8%    古沢襄

⑥フィリピンに日本赤軍の活動拠点か    古沢襄
⑦エジプトのイスラム過激原理主義を追う    古沢襄
⑧三人の英少女はイスラム教徒か?    古沢襄
⑨西川農相 安倍首相に辞表提出     古沢襄
⑩東北のオーロラ記録 古澤襄
 

二月二十四日(午前七時現在)のトップ・5

①内閣支持率上昇52・8%    古沢襄
②西川農相 安倍首相に辞表提出     古沢襄
③低支持率にあえぐ朴政権 発足2年で実績なく    古沢襄
④与那国の陸自配備、「賛成」が大差    古沢襄
⑤ハッカー対策、公募やハッカー・マニア優秀者を 宮崎正広
 
*トップ10に亡くなった岩見隆夫さんの「⑩”期ずれ”なんて言葉、あるんだな 岩見隆夫」が出ている。懐かしい。2013年に末期肝癌で入院加療したが、昨年一月十八日に肺炎を併発して亡くなった。享年七十八歳。

私とは辻トシ子さんを囲むジャーナリスト・グループだったが、四歳しか違わないのに政治記者としては一緒だったことがない。岩見さんに言わせると「古沢さんは大先輩です」なそうだが、1958年に毎日新聞社入社。社会部記者を振り出しに政治部記者になっている。

私は1958年に政治部記者となって六〇年安保の疾風怒濤の時代に巻き込まれた。不思議と毎日新聞の記者とは仲が良くて、江口さん(政治部長)はじめ交友がいまも続いている。

後に編集局長になった岩見さんとは、親しくなったのは辻グループを介してだから、こういうズレがある。だが、このズレが岩見さんの広い識見のプラスになったのではないか。

時には政治記者経験の不足から事実誤認に基づく首相批判(「近聞遠見」)と批判されたが、私に言わせれば”ご愛敬”以外の何ものでもない。事実、「近聞遠見」の執筆で、政治報道に新生面を開いたことが評価されて、日本記者クラブ賞を受賞している。

惜しい政治評論家を失った思いが、いまも残る。鎮魂の思いをこめて2011年2月17日の杜父魚ブログの一文を再掲する。

■「期ずれ」なんて言葉、あるんだな  岩見隆夫

〈期ずれ〉なんていう言葉があることを知らなかった。民主党の小沢一郎元代表が一月三十一日、政治資金規正法違反の罪で強制起訴されたが、それと密接不可分に重なる元秘書三人の初公判が二月七日に開かれた。

この一連の小沢裁判のなかで、〈期ずれ〉がキーワードになりそうだ。小沢弁護団の弘中惇一郎弁護士が意味を説明している。弘中さんは世論やマスコミが犯人視する被告人を無罪に導いてきた辣腕で知られる。代表例はロス疑惑の三浦和義さん(故人)だ。

 弘中さんは、

「起訴状にもあるとおり、これは小沢氏の政治資金管理団体(陸山会)が、04年10月29日に土地代金を支払ったにもかかわらず、取得年月日を所有権移転登記が行われた05年1月7日とした--という単なる〈期ずれ〉の問題に過ぎません。これは本当に刑事罰を科すべき犯罪なのでしょうか」(『週刊朝日』二月十八日号)

と語っている。取得年月日を七十日ほどずらしただけのことで、なぜこれが刑事事件になるのか、という無罪の主張だ。

〈期ずれ〉問題は、元秘書三人の初公判で論点の中心の一つになった。東京・世田谷に秘書寮を建設するための用地購入代金四億円の性格が同時に問われている。検察側は冒頭陳述で、

「石川知裕被告(衆院議員)は、土地購入自体は登記上明らかになるから政治資金収支報告書に記載せざるをえないが、所有権移転と代金支払い時期について、報告書の公表が一年遅れることで、胆沢ダム工事との関連(工事受注に便宜を図った謝礼として水谷建設から小沢事務所に一億円支払われた、とされる疑惑)が取り沙汰されないようにしようと考え、〇四年十月ごろ、大久保隆規被告に対し、

 『登記をずらして取得を来年に回した方がいいんじゃないか』と提案し、大久保も、『じゃあ、そうしよう』と了承した」

と述べた。単なる〈期ずれ〉ではなく、裏金受領を隠蔽しようという意図が隠されていた、とみるのである。

これに対し、石川被告の弁護人は、

「土地代金の支払いを〇四年分の収支報告書に記載しなかったのは、登記完了時に計上すればいいと考えたためだ。〇四年分の報告書が公表される〇五年秋は党代表選が予想され、小沢氏が立候補する可能性が高く、土地取得を記載するとマスコミに騒がれる恐れがあった。

支払いを〇五年に延ばそうとしたが売り主に断られ、登記の時期を延ばした。水谷建設からの裏金提供があったとの検察の主張は証拠がない。石川被告は裏金を渡したとされる同社社長と会った記憶もない」

と真っ向から反論した。だが、ここでも単なる〈期ずれ〉でないことがはっきりしている。土地購入がマスコミに騒がれるのを避ける意図があった。違法性の有無はともかく、政治家の振る舞いとしてのうさん臭さが残る。

◇問題は計上時期よりも 振る舞いのうさん臭さ

また、購入代金四億円はどこから調達されたのか。小沢さんのこれまでの説明は二転三転し、疑惑を深める一因になっているが、検察側は冒頭陳述で、

「四億円の由来について被告らが具体的な説明をしないのみならず、(陸山会に)貸し付けた小沢氏も結局合理的な説明をしていないように、公にすることができないものだった。陸山会の土地購入時期は、小沢氏の選挙地盤内の胆沢ダム工事の入札時期と重なり……」として、一億円の裏金受領の経緯を述べ、それが四億円の一部に充てられたことを臭わせた。しかし、石川被告の弁護人は、

「小沢氏の四億円は父(佐重喜)から相続した不動産売却代金が源泉で、小沢氏ほどの人物なら一、二億円の蓄積があって不思議はない」

とここでも全面対決だ。どちらかがウソなのだが、裁判によって真相が十分に解明されるかどうかは、何とも言えない。

しかし、小沢マネーをめぐる不透明さは小沢裁判の起訴事実だけではない。(1)党代表に就任した〇六年から一〇年五月まで、約三十六億円という巨額が〈組織対策費〉として党から支出され、使途が不明なこと

(2)〇九年の衆院選直前、小沢さんの関係政治団体〈改革フォーラム21〉に移されていた旧新生党の解党時の残金三億七〇〇〇万円が迂回して陸山会に入り、小沢さんに近い民主党公認候補八十九人に配られていたこと、などである。

組織対策費と残金のほとんどは立法事務費(税金)とみられ、それが恣意的に使われていたとすれば、到底許されることではない。だが、裁判では審議の対象ではないから、国会が究明すべきことだが、小沢さんは、

「法廷で真実を明らかにする」

と国会での説明を拒んでいる。裁判は小沢マネー疑惑の一部でしかない。しかも、単なる〈期ずれ〉、などという言葉に象徴されるように、裁判の限界も感じる。

 三年余、小沢マネーを追ってきた『毎日新聞』東京社会部の杉本修作記者が、二月九日付同紙の〈記者の目〉欄で、

〈政治資金を巡る小沢元代表の手法を私たちが問題視するのは、何も東京地検特捜部が捜査したからではない。私は検察の取材を担当した経験はなく、検察側から背中を押されて記事を書いているわけでもない。

性善説に立つ政治資金制度を逆手に取り、法の抜け穴を突くような元代表の手法を認めてはいけないと思うだけだ。法廷での「白黒」はもちろん重要だが、それがすべてではない〉

と書いていた。私も同じ思いを深くする。

いま、民主党政権は窮地に立ち、国会論戦はさっぱり先に進まない。国民はうんざりしている。政治迷走の原因の一つが小沢マネーにあることは間違いない。

政界最古参の小沢さんは、重い責任を感じるべきだ。

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