川崎市の河川敷で、近くに住む中学1年生の上村遼太さん(13)が首を刃物で刺されるなどして殺害された事件で、警察は知り合いの少年グループの3人が事件に関与した疑いが強まったとして、このうち18歳の高校生を殺人の疑いで逮捕しました。
調べに対し容疑を否認しているということです。ほかの少年2人についても逮捕状を取っていて、警察は今後、逮捕する方針です。
逮捕されたのは18歳の高校生の少年です。
この事件は今月20日、川崎市の多摩川の河川敷で、近くに住む中学1年生の上村遼太さん(13)が首を刃物で刺されるなどして殺害されているのが見つかったものです。
警察のこれまでの調べで、事件が起きたとされる午前2時ごろ、上村さんが、少年とみられる複数の人物と現場の方向に向かう姿が防犯カメラに写っていました。
上村さんは去年11月以降、深夜の公園などで十数人の少年グループと一緒にいるのが頻繁に目撃され、知人らによりますと、先月、グループの少年から暴行を受けたほか、インターネットの「LINE」で「殺されるかもしれない」と書き込んでいたということです。
警察は捜査の結果、少年グループのうち3人が事件に関与した疑いが強まったとして、このうち18歳の高校生を殺人の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、調べに対し容疑を否認しているということです。ほかの2人についても逮捕状を取っていて、警察は今後、逮捕する方針です。
■首相「防ぐことできなかったのか」
安倍総理大臣は、衆議院予算委員会の集中審議で、「大変、ショックを受けている。上村遼太君は13歳で、隠岐の島を出るときにはたくさんの友達が見送りに出たということで、新しい生活に向けて希望に胸を膨らませていた遼太君の尊い命が無残な形で卑劣に奪われた。
遼太君の気持ちを思うとあわれでならない。残された親御さんやご家族の気持ちを思うと痛惜の念に堪えない。心からご冥福をお祈りし、親御さんやご家族に対し、心からお悔やみを申し上げる」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「なぜこのようなことが起こり、果たして防ぐことができなかったのかと思う。子どもたちを守るのは私たち大人の責任だ。
できることは何でもやっていくという思いで、今後取り組んでいきたい。学校や教育委員会、警察や児童相談所との連携が十分だったのかも含めて検証しながら、再発防止策をしっかりと考えていかなければならない。こうしたことを2度と起こさないという決意で臨んでいく」と述べました。
下村文部科学大臣は、閣議のあと、記者団に対し「文部科学省として、きのう川崎市教育委員会に職員を派遣し、学校や教育委員会の対応に問題がなかったかどうかの検証や原因分析を求めた」と述べました。
そのうえで下村大臣は、再発防止策の策定につなげるため、27日、丹羽文部科学副大臣を主査とする特別チームを設置したことを明らかにしました。
また、山谷国家公安委員長は「子どもは国の宝、未来の宝だ。前途ある少年が殺害されたことに胸が痛む。平素から警察は、学校、教育委員会、児童相談所などと枠組みを作り、連携し、情報収集に当たっている。
子どもたちの安全確保と健全育成は、安全・安心社会の基盤だ。今回のようなことが起きないように、今後より一層、関係機関との連携に努め、早期の把握、情報収集、的確な対応を検証し直して、この痛みを胸と体に刻みながら、再発防止に努めていきたい」と述べました。
塩崎厚生労働大臣は、閣議の後の記者会見で「少年が悲惨な事件の犠牲となったことは残念だ。こうした事件が2度と起こらないようにするため、しっかりと検証することが大事であり、児童相談所などの制度の下で何を改善すればいいのか考えたい。関係省庁ともしっかり連携していきたい」と述べました。(NHK)
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コメント
会社は社長、学校は校長ですべては決まる。本当の教育者でなく、校長試験に合格した教師を校長にするいまの、日本の文教政策を根本から変えない限り、いじめによる自殺もこんどの痛ましいことも、絶対になくならない。
旧制師範学校、高等師範学校の復活ができない日本の政治家がなさけない。