過激派組織IS=イスラミックステートがフリージャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする映像を公開してから1か月となりました。
当時、後藤さんらの解放交渉に関わったヨルダンの関係者がNHKの取材に応じ、事件は、IS内部でより過激なグループが主導権を握ったため交渉が成立しなかったと証言しました。
ISによる日本人2人の殺害事件では、日本政府の協力要請を受けたヨルダン政府が、ヨルダン人の宗教指導者マクデシ師などに仲介を依頼し解放を働きかけました。
そのマクデシ師の側近で交渉の内容を知るムニフ・サマラ氏が、ヨルダンでNHKのインタビューに応じました。
この中でムニフ氏は「マクデシ師は『後藤さんは兵士でもなく軍事作戦などにも関わっていない。そうした人を殺すのはイスラムの教えに反する』と働きかけた」と明らかにしました。
そして、同じく拘束されていたヨルダン軍のパイロットも絡んだ解放交渉について、「IS側はマクデシ師に対し、『パイロットは生きている』と最後の最後までうそをつき続けた。
マクデシ師が、パイロットの声を聞かせて欲しいと求めたのにIS側が拒否し、交渉はうまくいかなかった」と述べ、パイロットの生存が確認できなかったため、死刑囚との交換による後藤さんの解放につながらなかった経緯を明らかにしました。
そのうえでムニフ氏は「今回の事件を主導したのはIS内部でも極端な考えを持つより過激なグループだった。
このグループには指導者のバグダディですら影響力を行使できない」と証言し、日本人2人を交渉を通じて無事解放させることは難しかったという認識を示しました。(NHK)
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