■民主党大会「どんな日本にしたいのか、ちょっと…」
民主党が1日に開いた党大会は、岡田克也代表が不在という異例の大会となった。来賓から苦言も飛び出し、党再生の試金石となる統一地方選の候補者擁立も難航している。「安倍晋三政権への対峙(たいじ)」を訴える岡田新体制が発足し40日以上がたつが、党再生への道筋はなお見えない。
■被災地支援の経営者からも「伝わりづらい」
この日、会場が大きくどよめいたのは、宮城県石巻市などで被災地支援に奔走する経営者、鹿島美織さんの来賓あいさつだった。
「民主党のホームページを拝見したが、どんな日本にしたいのか、ちょっと伝わりづらいかも…」
安倍政権に対抗する具体策を明確に打ち出せない実情を突いたひと言だった。
最大の支持団体である連合の古賀伸明会長も「党一丸で結束して取り組むことを期待したい」とあいさつし、かつて民主党政権崩壊の要因となった結束の問題で改めて注文をつけた。
党大会で報告した昨年の衆院選総括に「実質的な敗北」と明記し、「党のメッセージは具体的な対案に乏しい批判ばかりと受け取られた」と盛り込んだ。厳しい現実を率直に受け止めた内容だった。
■受け身にとどまる政権との対峙
ただ、党内の結束は疑わしい。
1月の党代表選に立候補した細野豪志政調会長は衆院選を「完全な敗北」と位置づけたが、岡田氏らが激しく反発した。
最終的に「敗北」を明記したものの、党再生の第一歩になる衆院選総括案がまとまったのは、平成27年度の活動方針案より2週間近く遅れてからだった。
政策面でも、政権交代を目指すとしながら、主体的な発想は見当たらない。
枝野幸男幹事長は大会後の記者会見で、5月以降の安全保障法制の議論への対応について「党の中にいろいろな意見があるのは間違いないが、与党の中の意見の幅ほど広くはない」と豪語したが、政府・与党の出方を見極めざるを得ない受け身の姿勢といえる。
■「出席する意味、あったのか」
党大会前に開かれた地方代議員会議では「農協改革で自民党との違いをはっきりさせてほしい」などの要望が相次いだ。近畿地方の県連幹部は「地元日程をキャンセルしてまで(党大会に)出席する意味があったのか」と首をかしげた。(産経)
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