■鳩山元首相の暴走に実弟・邦夫氏の怒りと困惑
鳩山邦夫氏は、国益を損ねる兄・由紀夫元首相の言動を厳しく批判した。
鳩山由紀夫元首相の暴走が止まらない。ロシアが軍事力を背景に併合したウクライナ南部クリミア半島を訪問し、日本政府や欧米諸国の「国際法違反」という見解と180度違う発言を重ねているのだ。
米国務省当局者が「クレイジー」とあきれる実兄について、鳩山邦夫元総務相が、夕刊フジの単独インタビューで一刀両断した。(夕刊フジ)
「国益というものをどう考えているのか。イランを訪れたときもそうだったが、なぜこんなに突っ走ってしまうのか」「口をききたくない」
邦夫氏は、怒りと困惑が混在したような表情でこう切り出した。
鳩山家とロシアとの関係は深い。日本と旧ソ連が国交を回復した日ソ共同宣言(1956年)は、鳩山兄弟の祖父、鳩山一郎元首相が署名した。ロシアでは「鳩山」の名は特別なものとして受け止められてきた。
ところが、由紀夫氏の一連の言動はロシアに都合良く利用され、バカにされている面もある。
邦夫氏は「国益だけでなく、鳩山家の信用をも傷つけた」と憤り、こう続けた。
「私は日本・ロシア協会の会長として、安倍晋三首相にも報告や相談をしながら、日露関係の発展に取り組んでいる。しかし、ロシア側から『あなたはクリミア併合を認めないのか』『兄さんはあのように言っているんだ』といわれたら、どう言葉を返せばいいのか。日露関係のことでは兄とは口をききたくない」
北方領土交渉など、日露間には困難な課題が多く横たわる。安倍首相はプーチン大統領と首脳会談を重ね、良好な関係の構築に腐心しているが、由紀夫氏の発言がロシア側の都合のいいように利用されることで、無用の混乱が生じかねない。
「難問を抱えるなか、日露関係の発展に向け、関係者は水面下での努力を重ねている。慎重に、慎重に、ガラスの城を作っているようなものだ。それを兄にガシャンと割られたような気がする。ものすごく腹立たしい」
一方で、弟の複雑な心境ものぞかせた。
「悔しいんですよね。兄は努力家だから、権力を取る(=政権交代を果たす)ための努力はものすごかった。
しかし、鳩山内閣は『史上最低の内閣』と呼ばれ、米国からはルーピー(=気が変)とまで酷評された。それでひねくれちゃったのかな、と思うんです。
政治家は後世の人によって評価されるのだから、兄も静かに過ごしていれば、いずれ評価が変わる可能性もあったのに…」
由紀夫氏は、弟の諌言(かんげん)をどう受け止めるのか。(産経)
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