ティクリート・・鳴り物入りでイラク軍が喧伝したティクリート奪還作戦だったが、間もなく四月になろうというのに動きがない。
イラク軍は二万七〇〇〇規模の大部隊を投入し、イラン軍指揮官の支援も得てティクリート奪還作戦を開始したのは三月の初め。
米ブルームバーグやCNNが数日中にティクリート奪還か、と予測していた。ティクリートを奪還すれば、イラク北部最大の都市であるモスルの攻略作戦に着手できる。
イスラム過激派ISの守備兵力は二〇〇〇にも達しない。しかもイラク軍の攻勢によって劣勢に立たされているというのが、大方の軍事筋のみるところだ。
ティクリートを包囲したまま”一休み”ということなのだろうか?
■イラク、ティクリート奪還作戦を開始-イラン軍指揮官が支援(三月二日)
(米ブルームバーグ)イラク軍は2万7000人規模の部隊を配備し、過激派組織「イスラム国」からティクリートを奪還する作戦を展開している。
イラク政府系テレビ局のイラキーヤの報道によると、通常シーア派の武装勢力を意味する「準軍事的組織」が参加している。一方、ファルス通信はイラン国軍のエリート部隊、クッズフォースの指揮官が2日前に現地入りし、イラク軍の野戦司令官らに「状況分析と助言」を与えたと報じた。
イスラム国は昨年6月にイラク北部最大の都市であるモスルを掌握し、そのすぐ後にティクリートを陥落させた。8月には米国がイラク軍とクルド人勢力を支援する目的で、イスラム国に対する空爆を開始した。(ブルームバーグ)
■イラク軍が攻勢、数日中にティクリート奪還か(三月一〇日)
イラク・ティクリート近郊(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に支配された中部ティクリートの奪還を目指すイラク軍は、作戦開始からの1週間で着実に前進を続け、9日までにティクリートの中心部から約1.6キロの地点にまで迫った。あと数日で同地を奪還できる可能性もある。
ティクリートとサラフディン州の奪還を目指す作戦はアバディ首相の命令で1日に始まり、過去3日間でティクリートに続く道路を約80キロ前進した。
作戦はイスラム教シーア派の民兵組織が主導し、イラク陸軍とスンニ派の部族関係者が加わっていると見られる。イランも顧問や武器弾薬を提供しており、米国防総省によれば、砲撃やロケット弾による攻撃を行っている可能性もある。
前線からは、一部地域でISIS弱体化兆しが見られるとの情報も入った。ISISの支配地域では士気の低下が伝えられ、反発や抵抗の動きもあるという。
ティクリートとは別に、キルクーク南部の部隊は過去24時間でISISに占拠されていた3つの村落を奪還し、ISISの戦闘員100人あまりが死亡した。シリアではクルド人部隊がコバニ周辺で掌握地域を広げている。
ローズ米大統領副補佐官はISISの動きについて、「バクダッド周辺とティクリート周辺の両地域で撤退しつつある」「イラク国内の支配地域は縮小している」と語った。
ティクリートはフセイン元大統領の出身地で、昨年6月にISISに制圧された。イラク政府が同地を奪還できれば、大都市モスル奪還に向けた可能性も開ける。(CNN)
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