18709 独墜落機の副操縦士、うつ病の治療隠していた    古沢襄

■関係者 雇用主にはその事実を伏せていた

【ベルリン】ドイツ格安航空会社ジャーマンウィングス機を故意に墜落させた疑いが浮上しているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)は、うつ病で医師の治療を受けていたが、雇用主にはその事実を伏せていた。当局の捜査に詳しい関係者が明らかにした。

この関係者はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ルビッツ氏は担当の神経心理学者から事故当日を含む一定期間において勤務しないよう勧告されていたが、これを無視してした、と述べた。

同氏が旅客機を墜落させた可能性につき、動機はいまだに明らかになっていない。ただ別の関係者は、ルビッツ氏が患っていたのは末期疾患ではなかったと話した。

最初の関係者は、同氏はうつ病にかかっていることを会社に伏せており、パイロット資格(7月更新予定)の喪失を恐れてこのような行動に出たという直接の証拠はないが、「そのような説はもっともらしい」と指摘した。

ドイツの検察当局は27日、西部デュッセルドルフにあるルビッツ氏の自宅で家宅捜索を行った後に声明で「何らかの病気の治療を受けていることを示す医療情報が入った文書を押収した」としたが、それがどのような情報だったかは明かさなかった。故意に墜落させる政治的・宗教的な動機をほのめかす証拠や遺書は見つからなかった。

家宅捜索で検察当局は、事故当日も含む期間に勤務しないようにと指示したものを含め、医師の診断書を数通収集した。

中には破かれたものもあり、「見つかった医師の診断書は現在有効で、事故当日を対象とした内容だった。初期的な評価によれば、これは(ルビッツ氏が)病気を患っている事実を雇用主および職場に伏せていたとの推論を裏付けるものだ」と検察当局は声明で述べた。(米ウオールストリートジャーナル)

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