【カイロ=大内清】アラブ首脳会議に出席するため、エジプト東部シャルムエルシェイクを訪問したイエメンのハディ暫定大統領は28日、対立するイスラム教シーア派の一派、ザイド派勢力を「イランの操り人形」と非難し、同派排除に向けたサウジアラビア主導の軍事介入の継続を求めた。
またロイター通信によると、イエメンのヤシン外相は28日、サウジなどによる自国への軍事介入について、地上軍派遣が必要となる可能性が「非常に高い」との認識を示した。
アラブ首脳会議は29日、イエメン問題などの非常事態に対応するため「アラブ合同軍」設立を決議するほか、ザイド派に対しては、制圧した首都サヌアからの退去や武装解除などを要求。ザイド派がこれを拒否した場合、サウジなどが軍事行動を強化する可能性がある。
ハディ氏は28日、サウジのサルマン国王とともに同国の首都リヤドへ移動。当面はここで事実上の亡命生活を送り、帰国の機会をうかがうものとみられる。
サウジ主導の連合軍には、オマーンを除く湾岸協力会議(GCC)諸国やヨルダン、モロッコ、スーダン、エジプトが参加。当初参加が伝えられたパキスタンは決定を保留している。
連合軍は28~29日もイエメンでの空爆を継続。サウジ資本の衛星テレビ局アルアラビーヤなどによると、ザイド派や同派と同盟関係にあるサレハ前大統領派が保有する弾道ミサイル発射機能を破壊した。サレハ氏に近い共和国防衛隊の司令部への攻撃では、少なくとも15人が死亡した。
また、サヌアにある国際空港の滑走路が爆撃により使用不能となった。これに先立つ28日、サヌアからは国連職員や各国大使館職員ら200人以上が国外に退避した。(産経)
<a href="http://www.kajika.net/">杜父魚文庫</a>
コメント