【ベルリン=宮下日出男】イラン核問題の包括的解決を目指す欧米など6カ国とイランは2日、スイス西部ローザンヌで協議し、AP通信によると、最終合意に向けた「了解事項」で大筋合意したと伝えた。
共同声明などの形で発表される見通し。双方は今後、最終期限の6月末までの決着のため、交渉を加速させるとみられる。
双方は最終合意の土台となる枠組み合意について3月末までの到達を目指したが実現できず、交渉日程を延長。現時点の交渉の進展や今後の手順などの文書をまとめる方向で調整してきた。
「了解事項」の合意は一定の前進ともみられるが、今後の交渉も難航する可能性はある。
今回の協議では3月26日以降、ケリー米国務長官とイランのザリフ外相が直接会談するなどし、6カ国の外相も一時現地入りした。ケリー氏とザリフ氏は1日夜から2日早朝まで夜を徹して8時間超にわたって協議し、2日には6カ国側内部での調整などが行われた。
これまでの協議では、イランで稼働中の約1万基に上るウラン濃縮用の遠心分離機を6千基以下に減らすことで双方が歩み寄ったとされる一方、遠心分離機の高性能化などの研究・開発活動の制限やその期間、制裁解除の手順などをめぐって溝が残ると伝えられ、交渉が難航していた。
包括的解決はイランの核関連活動が平和利用目的であることを証明し、イラン経済に打撃を与えている制裁も解除することを目標とする。このため欧米は一定期間、イランが短期間で核兵器を製造できないレベルにまで核活動を制限することを目指している。
核問題では核兵器開発を疑う欧米とイランが2013年11月、包括的解決を目指す「共同行動計画」に合意。その後の協議は難航を続けた。(産経)
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