■ベトナム総書記、北京を訪問し異例の大歓待を受けていた
12日の中国紙は一斉にベトナム総書記の訪中を「歴史的な成果」があったと報じだした。
2014年5月の「反中暴動」から一年も経ずして、両国は本当に仲直りしたのか、どうかは大いに疑問とするところだが、これを中国は「アジア周辺外交の勝利」を位置づけた。
ついでに中国メディアは言った「南シナ海をめぐる米国の対中批判はあたらない」と。
ベトナムの外交は「バランス」重視である。ロシア、中国、そして米国。付随的に日本、インド、韓国を重視している。
対ベトナム援助は日本が最大、企業進出では韓国、中国、日本の順である。
そして8000人の中国人が暴動以後、中国から去ったが、しずかに復帰していた。中国各地の観光資源には韓国、中国の順番となった。
総書記訪中の直前にベトナムはメドベージェフ(ロシア首相)をハノイに迎えた(4月6日)。グエン・タン・ズン首相はロシアが最大の武器輸出国であり、またロシア主導の「ユーラシア経済連合」との自由貿易協定を近く締結することで合意した。
ベトナム沖合の海底油田の油井リグは、ベトナムがロシア、インドなどとの合弁で進めているサイトが多くあり、他方でベトナムは米軍との共同軍事訓練を実施している。国交回復20周年として、ダナンには米海軍の駆逐艦などがはいった。
そのうえでグエン・フー・チョン共産党書記は北京を訪問したのだ。
4月7日から10日の四日間にわたるベトナム最高指導者の訪中を、中国は21発の礼砲で迎え、習近平総書記ほか、政治局員のじつに三分の一が会見するほどの熱の入れようを見せ、「社会主義政権同士の友誼とこんごの社会主義の発展はホーチミン、毛沢東以来の両国の伝統である」と声明する。
ベトナムも中国もしたたかである。
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