19044 キャメロン英首相にとって正念場の総選挙   古沢襄

キャメロンはウィリアム4世の愛妾であったドロシー・ジョーダンの庶子10人のうちの三女エリザベス・フィッツクラレンスの子孫であり、エリザベス2世の遠縁にあたる。ピカピカの英国上流階級だから、英王室のキャサリン妃が女児を出産した慶事には期待するものがあるだろう。

だがキャサリン妃の女児出産に沸くロンドンもキャメロン人気はいまひとつ盛り上がらない。

そのキャメロンも第75代のイギリス首相と登場した時には新しい保守の”イギリスの旗”として期待された。

以下はイキペデイアによるが、2005年12月の保守党党首選挙に「若手による改革」を唱えて出馬した。39歳の若さや爽やかな弁舌が支持を集め、党内の実力者で影の内務大臣だったデービッド・デービスを破り、第26代保守党党首に選出された。ウィリアム・ピット(小ピット)以来の最も議員経験の少ない党首でといわれた。

就任後は右寄りに傾きつつあった保守党を中道寄りに修正し、長期政権への倦怠感から不人気に陥ったブラウン労働党政権を上回る支持率を獲得している。

その経歴をみると、ロンドン生まれ。イートン校を卒業後、オックスフォード大学で哲学、政治学、経済学を学び、一級優等学位(first class honours)を得て卒業。1988年より保守党調査部に勤務し、サッチャー・メージャーの両政権下で政策資料の作成に従事している。

補欠選挙や地方選挙で快進撃を続け、保守党の党勢回復に成功、2010年5月の庶民院議員総選挙では、労働党を上回る議席を獲得し、第一党の座を奪還するも過半数は獲得できなかったため、第3極の自由民主党に対し、連立政権の樹立を呼びかけた。

5月11日、ゴードン・ブラウン首相の退陣を受け、保守・自由民主両党による連立政権の樹立に合意した上で、首相に任命された。首相就任時の年齢は43歳7ヶ月であり、1812年の第2代リヴァプール伯爵ロバート・バンクス・ジェンキンソン以来、最も若い首相であった。

就任後、連立政権のパートナーである自由民主党のニック・クレッグを副首相及び枢密院議長に起用し、5月12日に戦後初の連立内閣であるキャメロン内閣を発足させた。

まさにヨーロッパでいう銀のスプーンを持って誕生したようなキャメロン内閣だったが、それが多難な欧州情勢の中でドイツのメルケル首相と比較されると、上流階級なるが故に”ひ弱さ”も露呈している。

6月15日、北アイルランドで1972年に発生した血の日曜日事件について、1998年以来イギリス政府が続けてきた調査(サビール調査)報告書の提出を受け、イギリス政府の非を認め謝罪。10月、財政赤字解消のため第二次世界大戦後最大規模の歳出削減案を発表。実行された場合、公務員49万人が失業し、軍事費の大幅な削減が見込まれる。専門家によれば、この軍事費の削減により今後イラク戦争規模の軍事行動参加は不可能になる見通し。
 

2012年4月10日には日本を訪問。野田佳彦内閣総理大臣と会談し、日英で防衛装備品の共同開発を進める方向で合意した。

2014年9月13日、イスラム教スンナ派の過激派組織ISILが、英国籍の男性を殺害する映像をインターネット上で公開。自身のTwitterで「悪魔の所業だ。殺害犯を追い詰め、裁判を受けさせるために全力を挙げる」と書き込み、怒りをあらわにした。

保守党所属の政治家ではあるが、アメリカのジョージ・W・ブッシュと同じ”思いやりのある保守主義”を掲げて、従来の保守党のサッチャリズムや労働党の第三の道とも距離を置き、自由民主党と協力する「リベラルな保守」を自称した。

2007年の金融危機の際、政府による金融機関のコントロールが機能しなかった要因について、1997年に実施された金融機関の監督権限の財務省、イングランド銀行(中央銀行)、金融サービス機構(FSA)への分離を挙げ、財務大臣時代にこれを実行した当時の首相、ゴードン・ブラウンの責任を追及し、FSAを廃止して中央銀行の監督権限を回復させる政策を主張した。

警察官や兵士、教師の人員を10%(1割)削減する方針を掲げており、労働党からは「ミスター10%」と揶揄された。

2013年10月、キャメロンが食パン一斤の価格を知らないことが報道された。イギリスのメディアはしばしば政治家に食品や生活用品の価格を問い、適切な回答ができなければ揚げ足取りのように扱われる場合が多く、食パン価格の報道もその一環。キャメロンは食パンの価格を知らない理由について「出身地の小麦粉を使って自らパンを焼いているため」としている。

2014年9月18日、スコットランド独立の住民投票が行われたが、英国政府側が自治権拡大を約束したことなどが奏功し結果的に独立は否決された。しかし、一時は賛否が拮抗した状態となり祖国分裂への危機感が高まった。

リベラル保守を掲げ、新しい保守の”イギリスの旗”と期待されたキャメロンも、いまは色あせた保守として英国民から30%台の支持にとどまっている。もっとも労働党の支持率も30%台なので、二大政党制度は英政界から姿を消して、多党政治による連立政治が総選挙後は英政界に現れるのではないか。

■【ロンドン支局】女児を出産した英王室のキャサリン妃(33)は2日夕(日本時間3日未明)、ロンドンのセント・メアリー病院を退院し、生まれたばかりの女児を詰めかけた群衆にお披露目した。入院から半日、出産から約9時間半というスピード退院。かわいらしい女児の姿が公開され、英国内の祝福ムードは一段と高まっている。

ウィリアム王子(32)と一緒に笑顔で姿を見せたキャサリン妃は、黄色の花柄をあしらったワンピースという春らしい装い。女児は、手編みとみられる白いレースの帽子とショールにくるまれ、報道陣のカメラの放列の前でもスヤスヤと眠っていた。

女児はその後、クーファン(かご形ベッド)に入れられ、王子が車の後部座席に置いた。王子が運転する車で、キャサリン妃は女児とともに住まいのケンジントン宮殿に戻った。
 

女児の名前は近く発表される見通しで、命名予想の一番人気はエリザベス女王の夫、フィリップ殿下の母親と同じ「アリス」。続いて祖父のチャールズ皇太子の名前の女性版「シャーロット」。ほかに「エリザベス」「ビクトリア」「ダイアナ」などが続く。(産経)
 

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