■韓国企業相次ぐ日本撤退、事業縮小、サムスンのスマホも存続危機か
平成25年3月に横浜市のそごう横浜店で開かれた韓国の女性カジュアルブランド「ミッソ」のオープニングイベント。韓国の人気アイドルグループ「アフタースクール」のメンバーを招き盛大に行われたが、2年と持たず閉店に追い込まれた。
日本に進出した韓国企業の撤退や事業縮小が相次いでいる。
急激な円安の進行で価格競争力が低下しているうえ、日韓の政治関係の悪化で韓国製品の人気が下がっていることも要因とみられている。
アパレル、化粧品メーカーなどが撤退、事業縮小を決めているほか、韓国最大の企業、サムスン電子もシェアが急落しているスマートフォンの事業継続が危ぶまれているという。日本経済が安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」を背景に力強い回復を見せる中、韓国企業は「日本特需」の恩恵にあずかれずにいる格好だ。
■アパレル、化粧品…続々撤退
韓国・聯合ニュースによると、韓国アパレル大手のイーランドが3月で日本市場から撤退した。同社は、米国や韓国など世界10カ国で150ブランド約1万店を展開する韓国最大のSPA(製造小売り)メーカーだ。
日本には2013年に女性向けブランド「MIXXO(ミッソ)」を出店して上陸し、カジュアルブランド「SPAO(スパオ)」と合わせて5店舗を展開していたが、昨年から閉店に着手。3月1日に最後に残っていたららぽーと横浜(横浜市)の「SPAOららぽーと横浜店」を店じまいし、日本市場から完全撤退した。
聯合ニュースによると、イーランド関係者は「円高の影響で日本での新規出店が厳しく、収益性がないと判断した。代わりに中華圏での事業に集中する」と話しているという。
一方、韓国化粧品大手のアモーレパシフィックは、2006年に日本に上陸し百貨店で展開していた高級ブランド「アモーレパシフィック」の販売を昨年11月で取りやめた。
伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店、銀座三越、日本橋三越にあった4カ所の売り場を閉店した。また、2012年から日本で売り出したヘアケアブランド「呂」のドラッグストアでの販売を3月いっぱいで打ち切った。
■サムスン、スマホシェアが激減
撤退、事業縮小の波は韓国最大企業のサムスン電子にも及ぶ可能性がある。
ニュースサイト「FOCUS-ASIA.COM」が韓国メディア、ソウル経済の情報として伝えたところによると、サムスンの日本におけるスマホ市場のシェアが急落し、事業存続が危ぶまれるほどの事態になっているという。
サムスンは一時は日本市場で17%台後半のスマホのシェアを持っていたが、昨年12月には4%台に低下し、メーカー別順位も2年ぶりにベスト5から転落して6位になった。
一方、上位は米アップルが30%台後半とダントツの1位で、2~5位はソニー、シャープ、富士通、京セラと日本勢が占めた。
平成25年3月に横浜市のそごう横浜店で開かれた韓国の女性カジュアルブランド「ミッソ」のオープニングイベント。韓国の人気アイドルグループ「アフタースクール」のメンバーを招き盛大に行われたが、2年と持たず閉店に追い込まれた。
LG経済研究院のイ・ジピョン首席研究委員は「韓国企業の対日輸出が減少するのは、円安で韓国製品の日本国内での価格競争力が低下した上、両国関係の悪化で韓国製品に対する人気が低下した影響が大きい」と指摘している。
また、聯合ニュースによると、韓国貿易協会東京支部が1月に発表した日本に進出した韓国企業の意識調査では、進出72社のうち、今年の経営環境が「昨年より悪化する」と回答した企業は前年より3.5ポイント多い53.5%に上ったという。
今後も事業を拡大すると答えた企業は47.2%と半数近くいるものの、事業縮小や業種転換を計画する企業も9.7%あり、撤退企業がさらに増える可能性もありそうだ。(産経)
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