東京から埼玉県にかけてのびる活断層「立川断層帯」について、東京大学などのグループが調査した結果、活断層であることを示す、地層がずれ動いた痕跡が見つからない区間があったほか、比較的新しい時代に起きた地震ですでにずれ動いたとみられる区間があることが分かりました。今後、国の被害想定などの見直しにつながる可能性もあります。
「立川断層帯」は、埼玉県南西部から東京の多摩地域にかけてのびる長さ30キロ余りの断層帯で、北側の「名栗断層」と南側の「立川断層」からなり、国は全体がずれ動くと、マグニチュード7.4程度の大地震が発生し、死者は最悪の場合、6300人に上るという想定を出しています。
一方で、過去の活動時期など不明な点が多く、東京大学などの研究グループが、ことし3月までの3年間にわたり大規模な掘削を行うなど、詳しい調査を行ってきました。
その結果、今回の調査では、「名栗断層」と「立川断層」の南部では、活断層であることを示す、地層がずれ動いた痕跡などは見つからなかったということです。また、残る長さ15キロ前後の「立川断層」の北部は、活断層の痕跡はみつかったものの、数百年前と、比較的新しい時代に起きた地震ですでにずれ動いていたとみられるということです。
研究グループによりますと、今回の調査結果から、「立川断層帯」はこれまでより長さが短くなり、近い将来に地震が起きる確率が低くなる可能性があるということです。
グループではこうした内容を16日、東京・立川市で開かれる報告会で説明するとともに、近く報告書にまとめることにしています。今後、国の被害想定などの見直しにつながる可能性もあり、政府の地震調査委員会などで議論が行われる見通しです。
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