19151 橋下氏「たたきつぶされた」…政界引退表明   古沢襄

■「権力なんて使い捨てでいい」

「二重行政の解消」などを目指した「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が17日行われ、二者択一を迫られた有権者は僅差で「大阪市存続」という結果を選んだ。

「負けは負け」と敗戦の弁を述べた維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)は、今年12月の市長の任期満了をもって政界を引退すると表明。平成20年の大阪府知事就任から7年半にわたる政治家生活とともに、橋下氏の宿願だった大阪都構想は終結の時を迎えた。
 

20年に大阪府知事に就任し、5年前には大阪維新の会を立ち上げて固執し続けてきた「大阪都構想」。だが、最終決戦の住民投票でわずかの差で信を得られなかった。

17日深夜、橋下氏は住民投票の大勢判明を受け、予定より1分ほど遅れて、松井一郎大阪府知事とともに会見場に姿を現した。告示後、険しい表情を崩さなかったが、この日は一転し、さばさばとした笑みを漏らした。

「本当に市民のみなさんは重要な意思表示をしてくれた。僕が打ち出した大阪都構想。受け入れられなかったことは、間違っていたんでしょうね」。会見場を埋め尽くした報道員から一斉にフラッシュがたかれる中、橋下氏は開口一番、住民への感謝を示した後、素直に敗戦の弁を述べた。

投開票1週間ほど前の報道各社の世論調査は、軒並み「反対」が優勢。自民と公明、民主のほか、共産まで手を組む異例の反対攻勢が吹き荒れる中で、橋下氏は自身の進退を訴えるなどし、地道に支持を訴えた。

「僕のことはキライでもいい。でも大阪がひとつになるラストチャンス」。終盤の新聞折り込み用ビラにはこんなフレーズも。17日も街宣車に乗り、ツイッターも駆使し支持を訴えた。

ふたを開けてみれば、劣勢を覆す僅差。

だが、橋下氏は「負けは負け。戦を仕掛けて、たたきつぶすといってたたきつぶされたわけですから」とし、政界引退の意志に変わりがないことを強調。「10対90ならシュンとなる。こんな最高な終わり方はない。すごい経験をさせてもらい、最高でした」

さらに、自分の政治家人生については、「自分のことだけをやって生きてきた人間が、(大阪府知事に就任して以降の7年半は)公のことをやってきた。有権者から見たら『やり過ぎだ』ということもあったと思うが、悔いを残さずできた」と振り返った。

会見では今年12月の任期満了での政治家引退を重ねて表明。自ら政治家として民意をくみ取れなかったと述べ、自らの存在や、政治家のあり方について、こう表現した。

「僕みたいな政治家が長くやる世の中は危険。ハンドルを握ってはいけない。ワンポイントリリーフ。権力なんて使い捨てでいいし、敵をつくる政治家が世の中にずっといるのは害だ。それが健全な民主主義というものです」(産経)

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