シリア中部のパルミラを制圧した過激派組織IS=イスラミックステートが世界遺産の遺跡に侵入してISの黒い旗を掲げていることが分かり、中東有数の貴重な文化遺産が破壊されかねない事態となっています。
シリア中部のパルミラでは、過激派組織ISが攻撃を仕掛け、21日までに政府軍の部隊を撤退させて全域を制圧しました。
ISの戦闘員は郊外にあるパルミラの遺跡に侵入し、23日、遺跡の一部である城壁の上にISの黒い旗が掲げられている写真がインターネット上で確認されました。
パルミラの遺跡はおよそ2000年前のローマ帝国時代の王国の神殿や円形劇場の跡が残されている中東有数の貴重な文化遺産で、1980年に世界遺産に登録されています。
シリア文化省の当局者によりますとISの戦闘員は22日には遺跡の近くにある博物館にも侵入しましたが、博物館の中の所蔵品は、事前に安全な場所に移されていて無事だということです。
しかし神殿や劇場の跡など巨大な構造物を移動させることはできないため、貴重な遺産がISによって破壊されるおそれが出ています。
ISはこれまでイラク北部にある世界遺産の遺跡などを独自の解釈をもとに「イスラムの教えに反する偶像崇拝にあたる」と主張して繰り返し破壊していることから、今回の事態にユネスコが急きょ戦闘の停止を呼びかけるなど、懸念が強まっています。(NHK)
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