民主党と維新の党は25日、国会内で幹事長、国対委員長会談を開き、安全保障法案の審議などで連携して国会運営にあたることを確認した。維新の松野頼久代表は連携の先に「野党の幅広い結集」を見据えるが、民主党への吸収合併を懸念する維新の大阪系勢力は松野氏の前のめりの姿勢を警戒し、内紛の火種を残している。(内藤慎二)
維新の新体制発足を受けた25日の幹部会談は、安保法案で「十分な審議」が必要との認識で一致した。だが、昨年秋の臨時国会で実現した会談の定例化は見送った。維新の柿沢未途幹事長は会談で「大阪都構想」に関し、「民主党はかなり熱心に反対した。否決直後に仲良くやっていくことは、大阪で都構想実現のため頑張った支持者の理解を得られない」と説明した。
一方で、松野氏は19日の代表就任以来、野党再編の必要性を発信し続ける。24日の記者会見では「年内」「100人以上」と具体的な期限と規模に言及した。
産経新聞社とFNNが23、24両日行った合同世論調査は、野党再編に「期待しない」が50・9%で過半数だった。だが、支持政党別では、「期待する」が維新支持層で57・5%、民主支持層で64・5%だった。
ただ、維新の大阪選出議員には、元民主党の松野氏が「是々非々」としながら古巣との連携を急ぎ、民主党への吸収を選ぶのではないかと用心する声が強い。
松井一郎顧問(大阪府知事)は25日、府庁で記者団に「何でもかんでもの数合わせでは国民から信頼されない。第2の民主党みたいな形になるだけだ」と、さっそく松野氏を牽(けん)制(せい)した。
松野氏が大阪系の馬場伸幸国対委員長の交代を模索したことも不信を招いている。大阪系が「馬場氏を外せば新執行部と大阪系に確執があるとみられる」と反発して実現しなかったが、しこりは残ったままだ。
20日夜には維新の松木謙公、民主の鈴木克昌両氏ら両党の衆院議員7人が、かつて行動をともにした「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎代表と会食した。
小沢氏と密接な関係にある松野氏は「民主党以外の野党」との再編にも意欲的で、「小沢氏を交えた将来的な野党結集への布石」との見方も出ている。
これに対し、民主党執行部は維新との国会での連携の必要性は認めるものの、「自主再建」が基本方針だ。枝野幸男幹事長は25日、野党結集を目指す松野氏の発言について記者団に「現時点でそれを自己目的化することは避けた方がいい」と述べるにとどめた。(産経)
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