19214 首相のヤジに委員会室騒然   古沢襄

■民主は中谷氏に“ロックオン”

安全保障関連法案の国会審議は序盤から荒れ模様だ。民主党は「答弁が危なっかしい」とにらむ中谷元(げん)防衛相に質問を集中させる戦術を徹底。

これに対し、安倍晋三首相自らが盾となり、率先して答弁に立つ場面が目立っている。しかし、28日の審議中、首相が民主党議員に「早く質問しろよ」とやじを飛ばすと、委員会室は騒然となった。

中谷氏は28日の質疑の冒頭、27日に維新の党議員に武力行使と武器使用の違いの説明を求められ「違いが分からないと議論ができない」と答弁したことを「大変不適切だった」と陳謝。これでますます、民主党の照準が中谷氏に集中した。

同時に首相に対しては「答弁が長い」として可能な限り避ける作戦に出た。後藤祐一氏は、委員室にストップウオッチを持ち込み「3分を超える答弁があった」と牽制(けんせい)する徹底ぶり。

首相も負けていない。質疑の冒頭、「簡潔に答弁する大切さを踏まえ、留意する」と陳謝したが、その後も積極的に答弁。自身に答弁を求めようとしない民主党の辻元清美政調会長代理には、自席からのやじで質問を促して挑発した。

首相は、別の民主党議員に「(辻元氏が)延々と自説を述べ、答弁の機会を与えないからだ」と説明したが、結局「言葉が過ぎたとすれば、おわびする」と謝罪に追い込まれた。
 

やじは民主党からも出た。辻元氏は、首相が浜田靖一委員長(自民)の指名で答弁しているにもかかわらず、自席から「ダメです」「首相に聞いていない」と連呼した。

政府高官は「丁寧に説明すると長いと批判する」と反発。一方、民主党の枝野幸男幹事長は、首相のやじに「人としていかがか」と猛反発している。後半国会の最重要法案の審議は、早くも泥試合の様相だ。(産経)

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