■目的は軍事技術向上、レーダー、ミサイルと潜水艦技術取得か
インドのモディ首相は年内にイスラエルを訪問すると発表した(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』2015年5月31日)。
実現すればインド首相として、初めてのこととなる。
伏線はあった。二月にバンガロールで開催された『兵器展』に駆けつけたモディは、この席で「インド国産の兵器を」と呼びかけ、外国企業との合弁比率を従来の26%から49%に引き上げるとした。
外国の軍需産業のインド進出を促進する政策変更である。
バンガロール兵器展には航空機メーカーだけでも72社が出展した。
ほかに戦車などが展示されたが、出展に応じた兵器メーカーは米国64社につづいてフランス58,英国48社。ロシア41社、そしてイスラエルから25社が、ドイツからは7社が参加した。
同時にインドのメーカーが270社、合計330社という壮大な、世界的規模の展示会となった。
インドは軍事力向上のため、向こう十年で1200億ドルを新兵器開発に投じるとしており、これまでのロシア製兵器主力という防衛体制から西側のハイテク兵器の合弁による国産化方針を鮮明にしたのである(2月18日)。
インド空軍はレーダー、戦闘機、武装ヘリ、搭載ミサイルの技術向上を狙っており、ロシア製兵器体系から複雑な防衛システムへの整合性を希求しつつ、性能向上に拘り続ける。
また空中空輸器、大型輸送機などの向上も企図している。
この兵器展にあわせてインドを訪問したのがイスラエルのヤロン国防相で、1992年に両国が国交を成立させて以来、はじめての国防相訪問だった。イスラエル国防相は、『インドとの関係は戦略的互恵である』と語った。
もっともイスラエルはアリエル・シャロン首相が2003年にインドを訪問しており、イスラエルからの兵器輸出は一貫してつづいてきた。
インドのスワラジ外相(女性)は「首相訪問に先立ち、私はイスラエル、ヨルダン、パレスチナを訪問する」としており、(イスラエルを訪問するからと言って)従来の中東政策に変更はない」とした。
また訪問する時期についてはトルコで開催される年末のG20の前後が有力と観測される。
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