19248 俄然、見直された比クラーク空軍基地   宮崎正広

■南シナ海への哨戒にもっとも近距離の大規模空港

先月、フィリピンを取材した折にマニラから二時間。ピナツボ火山の噴火で灰に埋もれ、使用できなくなったクラーク基地を訪れて、驚いたのである。

基地の町はアンヘイレス、なんとコリアンタウンに早変わりしていた。

クラーク基地は、火山灰を除去し、宏大な敷地の一部はクラーク空港となり、仁川、香港、シンガポールから国際線が飛んできている。

往時の繁栄ほどではないが、西側のスビック湾が国際工業団地となって、近代化は進んでいた。

おりしも五月下旬にシンガポールで開催された「シャングリラ対話」では、全加盟国が中国を批判し、とくに米国、日本は中国を名指しで、軍事的懸念を表明した。

中国は当該海域の安全に寄与すると豪語したが、誰からも信用されず、国際的孤立を深めた。あたかもヒトラーの侵略が開始されたときの暗雲に酷似した。

つい一ヶ月前、中国はAIIBを打ち上げて、英独仏の参加表明をもって、日米との関係に亀裂をいれ、アセアン諸国の反中国の動きをも分断させたと過信した矢先だった。

ふたたび中国は四面楚歌に陥没した。

せっかくのAIIBによる外交的な成果も、孫建国(中国海軍代表)の強硬発言に振り出しに戻った。

そして、日豪アセアンと米国の間に、かのクラーク基地を哨戒拠点として活用する動きが顕在化した。

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