■利回り上昇幅は1998年以降最大
(ブルームバーグ)5日の欧州債市場ではドイツ国債が前日からほぼ変わらずとなったものの、週ベースでは1998年以降で最悪の1週間となった。
2カ月足らず前には、ドイツ10年債利回りは欧州中央銀行(ECB)の国債購入を手掛かりにマイナス圏に入る寸前だった。
それが今週はインフレ上昇の初期兆候とドラギECB総裁のボラティリティ容認発言を受けて売りが膨らみ、利回りは大幅上昇。
この日発表された5月の米雇用統計で雇用者数の伸びが過去5カ月で最大となったこともあり、利回りは高止まりした。
ウニクレディト(ミラノ)のシニア債券ストラテジスト、ルカ・カツラーニ氏は利回り「上昇の勢いは極めて強い」とし、「インフレ率が予想を上回ったほか、ECBは一段とハト派的になるとの見方があったものの、ドラギ総裁はより中立的でボラティリティに順応すべきだと発言した。
ただ、利回りの上昇の仕方について語る際には、数カ月にわたって低下していたことを忘れるべきではない」と語った。
ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ横ばいの0.84%。前日は昨年9月以来の高水準となる0.996%に達した。
4月には0.049%まで下げていた。今週の利回り上昇幅は36bpで、これは1998年10月以降の最大。同国債(表面利率0.5%、2025年2月償還)価格は96.81。5月29日は100.12だった。(米ブルームバーグ)
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