■韓国長官が会見
【東京聯合ニュース】日本を訪れている韓国外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は21日、朴槿恵(パク・クネ)大統領政権発足後初めて開催された岸田文雄外相と会談後に報道陣に対し、「(会談が)率直かつ建設的だった」と評価した。
旧日本軍の慰安婦問題については韓国政府の見解を日本側に明確に伝えたと説明した。朝鮮人が強制労働させられた施設が含まれる「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録問題は双方が協議を通じ、円満に解決することで一致したという。
現政権になって一度も開かれていない首脳会談については両国が開かれた姿勢を示しているが、まだ時期を語る段階ではなく、環境が整っていないと評価した。
以下は尹長官との一問一答。
――会談の内容は
「会談2時間、夕食会1時間半の3時間余りにわたり、相互の関心事について友好的な雰囲気の中で虚心坦懐(たんかい)に建設的な協議を行った。両国関係全般に関する問題、北の問題、東アジア問題、国際問題での協力を包括的に協議した」
――旧日本軍の慰安婦問題をめぐる立場の差は縮まったか
「慰安婦問題におけるわれわれの主な関心事については立場を明確に伝えた。特に、(明治日本の産業革命遺産の)世界文化遺産登録問題については、両国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会の責任ある委員国として、この問題の話し合いを通じ円滑に妥結するとの共通認識を持って緊密に協議することにした。
今日ソウルで発表があったように、あすの国交正常化50周年記念式に両国首脳がそれぞれ出席することは関係の改善に向けた両国指導者の強い認識を反映したものだとの認識を共有した。両国の高官交流強化の一環として年内の岸田外相の訪韓を要請し、岸田外相も承諾した。国交正常化50周年にふさわしいさまざまな行事について協議している」
――慰安婦問題に関する主張に対する日本の反応は
「局長級協議が進められているため、詳細については別の機会に説明できるだろう」
――局長級協議と同じ内容を協議したのか
「進展状況に合わせて、より詳しく説明できる機会があるだろう」
――慰安婦問題について双方の立場に差があるが、双方の認識が一致した最小限の内容があるか
「会談内容の詳細を話すことはできない。国交正常化50周年を迎え、残りの懸案の進展を遂げ、好循環をもたらす方向へと進むことを望む。このために両国の外相が協力し、外交チャンネルを通じた協議を続けようという話をした」
――日本の世界文化遺産登録推進問題は
「両国が協力し、両国が申請した遺産の登録のため、共に協力していくことで一致した。こうした良い協力例を通じ、ほかの問題でも前向きな方向で進むことを期待し、両国外交当局間で引き続き協議することにした」
――登録で協力するということは韓国が賛成するとの意味か
「これまで韓国が示してきた立場をみれば、今回の発言が何を意味するのか理解できるはずだ」
――強制徴用に関する内容を日本側が反映するのか
「それについては近いうちに具体的に説明する機会があるだろう」
――日本が強制徴用問題を反映し、その事実を伝えることに同意したとみていいのか
「両国が責任ある委員国として協力することにしたため、近いうちに首席代表間協議が開かれれば具体的な内容を説明できるだろう」
――世界文化遺産登録をめぐる3回目協議はいつ開催するのか
「近いうちに開催する可能性がある。日程が決まれば発表する」
――首脳会談への期待があるが、時期は秋か年内か
「まだ時期を話せる段階ではない。そうした対話については常に開かれているため、雰囲気をつくることが重要だ」
――朴大統領が22日の国交正常化50周年記念行事で送るメッセージは
「50周年にふさわしい、懸案を進展させながら未来志向の協力ができる元年にしてほしいとの趣旨の話があると思う」
――22日に安倍首相と会談するか
「現段階ではその可能性が高いと思っている」
――どういうメッセージを伝えるのか
「きょうの議論の延長線で、両国関係の発展に向けた私の考えを伝え、国交正常化50周年に合わせ、新しい飛躍の契機になってほしいという話をすると思う。特に、直接首脳が(行事に)出席するため、それ自体が大きなメッセージになると思う」
――安倍首相に朴大統領のメッセージを伝えるのか
「会談をすることになったら、その後に説明する」(韓国・聯合ニュース)
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