19380 「被害者1人でも死刑を」署名活動した母親   古沢襄

■死刑容認派は8割

互いに素性も知らない男たちがインターネットでつながり、罪のない女性を殺害した「闇サイト殺人事件」。磯谷利恵さんの母、富美子さん(63)は「嫌なことを思い出させたくない」と、天国にいる娘には死刑が執行されたことを知らせないつもりだ。

「殺されたのが1人だからといって犯人が死刑にならないのはおかしい」。富美子さんは事件後、被告3人への極刑を求めて署名活動を始めた。連続4人射殺事件(昭和43年)の最高裁判決で示された死刑選択の「永山基準」に基づくと、被害者が1人の殺人犯に死刑判決が下る可能性は低いとされていたからだ。

署名活動は30万人を超えるほどの広がりを見せ、平成23年版「犯罪被害者白書」には「娘は何の落ち度も関係もないのに、強制的に人生を閉じられ、夢や未来をすべて奪われてしまった」と訴える手記が掲載された。結局、1審では3人のうち1人が無期懲役。2審では2人が無期懲役となり、その後確定した。

「最後まで戦ったのにショックだった」と話す富美子さんは現在、犯罪被害者の遺族として講演することもあるという。

一方、日本弁護士連合会や死刑廃止団体は25日、「弁護人が(神田司死刑囚の)控訴の取り下げ無効を主張していた」などとして、相次いで死刑執行に抗議する声明を出した。

時効撤廃や殺人罪での厳刑適用を求める「殺人事件被害者遺族の会(宙の会)」の土田猛特別参与は「わが身にたとえて考えてほしい。自分の妻や子供、親が殺されても死刑に反対するのか」と主張する。

死刑制度をめぐっては、内閣府が昨年11月に実施した世論調査の結果、死刑制度容認派が約8割に上った。法務省は「(過去の結果と)傾向は変わらない」と分析している。(産経)

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