ドイツで開かれているユネスコの世界遺産委員会は、日本が推薦する「明治日本の産業革命遺産」の審議を日本時間の4日夜行う予定でしたが、5日夜に先送りすることを決めました。
韓国が委員会で行う発言の内容などを巡って、日本と韓国の間で調整がついていないことが影響したとみられます。
ドイツのボンで開かれているユネスコの世界遺産委員会は4日、各国から推薦を受けた候補を新たに世界遺産に登録するかどうかを決める2日目の審議を行っています。
日本が推薦する「明治日本の産業革命遺産」は日本時間の4日夜審議される見通しでしたが、世界産委員会は審議を日本時間の5日午後10時に先送りすることを決めました。
この遺産群を巡っては、当初韓国が「戦時中に朝鮮半島の人々が強制徴用された施設がある」などとして、登録に反対の立場をとりましたが、先月の日韓外相会談で、登録に向けて両国が協力していくことで一致しました。
しかし、韓国が委員会で行う発言の内容などを巡って日本と韓国の調整が難航しているもようで、世界遺産委員会の21の委員国のうち、日本と韓国を除く19の国が4日協議し、審議の先送りを決めたということです。
委員会側は世界遺産への登録はすべての国の同意を得ることが望ましいとしており、5日夜までに日本と韓国が合意点を見いだすよう、働きかけを強めているとみられます。
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■登録巡る日韓の主張
「明治日本の産業革命遺産」を巡っては、ことし5月、ユネスコの諮問機関が世界遺産への登録がふさわしいと勧告したのに対して、韓国が反対を表明しました。その理由として韓国は、「対象となった資産には戦時中に朝鮮半島の人々が強制徴用された場所が含まれており、悲しい歴史を美化するものだ」と主張しました。
これを受けて日韓両政府の担当者による協議が行われ、最初の協議で韓国側は、7つの資産では合わせて5万7900人の朝鮮半島出身者が動員されたとして、7つの資産を申請から除くよう求めました。続く2回目の協議では、韓国側は7つの資産を登録対象とすることは認めるとしたものの、それぞれの資産の説明の中に強制徴用の歴史を盛り込むべきだと主張しました。
一方日本側は、遺産は日本による韓国併合以前の1850年代から半世紀の間に日本で急速な産業化が進んだことを伝えるもので、強制徴用の歴史は登録の内容とは関係がないと主張してきました。
しかし、先月行われた日韓外相会談で、日本が韓国側の主張に一定の配慮をする意向を示し、「明治日本の産業革命遺産」が韓国側の推薦案件とともに登録されるよう、両国が協力していくことで一致しました。
■鹿児島市長「じっと我慢し朗報を」
ドイツのボンを訪れている鹿児島市の森博幸市長は、「首を長くして待っているが、なかなか審議に入ってもらえない。いらいらする部分もあるがじっと我慢して朗報が来るのを望んでいます」と話していました。
■長崎市長「必ず登録というゴールに」
ドイツのボンを訪れている長崎市の田上富久市長は、「どういった議論が交わされているのか詳しい情報は私たちには入ってこないが、どうすればお互いによい形で納得しながら登録にたどり着けるのかを議論して、必ず登録というゴールにたどりついて欲しい。あす必ずよいニュースが飛び込むことを信じて待ちたいと思います」と話していました。
■パブリックビューイング 落胆の声も
山口県萩市役所の1階のロビーでは、パブリックビューイングが行われ、多くの市民が訪れて審議の様子を見守っていましたが、4日夜9時半すぎに審議が5日夜に先送りになったことが伝えられると、会場からは落胆の声が聞かれました。
萩城下町でみやげ物店を経営している男性は「残念です。あす、決まることを期待しています」と話していました。
萩市歴史まちづくり部の植山幸三部長は、「韓国との調整がうまくいかないとの情報もあったが、それでも期待していた。あすは、よい結果になるように期待しています」と話していました。(NHK)
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コメント
昨日の段階で韓国は通過、日本側だけ保留。まさかとは思うが予感ありました。
ご丁寧に日韓外相会談まで設定、合意があったはず。
産経新聞「正論」にて古田博司教授(筑波大)が6月29日付けですでに予言。
今回の世界遺産抱き合わせでもわかるように~云々。核心に迫る分析。
2002年、ワールドカップ共同開催、今回の世界遺産登録、
次は2018年、冬季オリンピックも胸騒ぎ。
ギリシャ・デフォルトの次は隣国にも忍び寄る、日本も無関係ではいられない。
これも聞きかじりですがギリシャに武器輸出国、独、仏。 こりゃぁ益々複雑。
今後も引き続き多面的にこのブログでも庶民に考える材料取り上げお願いします。