■民主党は「世論戦」の構え
参院に舞台を移す安全保障関連法案をめぐる論戦で、民主党は国会外の「世論戦」を仕掛けることで、法案を廃案に追い込む構えを見せている。
枝野幸男幹事長は19日のNHK番組で、「国会内の戦いだけでは勝ち目がないのは確かだ。『国民世論対安倍晋三首相』との構図で廃案に持っていく」と述べた。
これに対し、自民党の高村正彦副総裁は「刹那的な世論だけに頼ってやっていたら自衛隊も創設できず、日米安全保障条約の改定もできていなかった」と述べ、本質的な議論よりも感情論を優先させるかのような民主党の手法を厳しく批判した。
高村氏は、安保法案が衆院を通過した後の世論調査で内閣支持率が下落傾向にあることに関し、「支持率を犠牲にしても、国民を守るためにやるべきことをやってきたのが自民党の誇るべき歴史だ」と強調。“感情論”に頼ろうとする民主党を念頭に「自民党がポピュリズム政党といわれないゆえんだ」とも述べた。
さらに「衆院の審議では質問時間を『野党9対与党1』と決め、法案の必要性を与党側の質問で十分引き出せなかった」と語り、参院では与党の質問時間を多く確保するよう求めた。
一方、枝野氏は「首相のやり方ではダメだという意味では一致している」と語り、他の野党との連携による成立阻止にも意欲を示した。番組には与野党各党の幹事長らが個別に出演し、共産党の山下芳生書記局長、社民党の又市征治幹事長も枝野氏の野党共闘の呼び掛けに賛同した。
ただ、維新の党の柿沢未途幹事長は、衆院で否決された同党の対案について「参院にも提出し、堂々と論戦していきたい」と述べ、与党との修正協議にも期待を示した。
柿沢氏はフジテレビ「新報道2001」でも参院への対案提出を明言した。同じ番組で民主党の細野豪志政調会長は「自民と維新が腹を割って議論しているように見えない」と述べ、与党と維新の修正協議を批判。これに対し、柿沢氏が「なぜ私を敵に回すのか分からない。民主党も対案を出せばいい」と反発するなど、野党は相変わらず足並みの乱れを露呈している。(産経)
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