【ラハイナ(米ハワイ州)=小雲規生】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は7月31日、最終日(4日目)の協議を開き、交渉内容の大筋を見送った。
閣僚会合はこの日朝から知的財産など難航分野の調整を続けるとともに、二国間交渉も積み重ねたが、乳製品の関税や知的財産のルールなどで対立が続き一致点を見いせなかった。
参加国は今後、交渉日程について協議を続けるとみられるが、合意に向けた機運が高まっていたTPP交渉の先行きは一気に暗転した。
甘利明TPP担当相は31日の閣僚会合開始前、記者団に対して、「いよいよ最終局面。困難な交渉を主導していきたい」と意欲を表明。そのうえで二国間の関税などの交渉について「一部の国がどの国に対しても法外な要求をしている。まっとうな判断をしてもらうよう説得中だ」と述べていた。
31日の閣僚会合では冒頭、首席交渉官団から30日夜から31日未明にかけて続けられた難航分野の調整の結果について報告があった。
医薬品のデータ保護期間など一部の問題は未解決ながら「相当な進展があり、かなりの問題が片付いた」(交渉筋)といい、各国はその後、閣僚全体による協議を短時間に留めたうえで二国間での協議を重ねた。しかし最終的には大筋合意には至らなかった。
これまでのTPP交渉では医薬品のデータ保護期間をめぐり、12年を主張する米国と5年以下を求める新興国や豪州の間で着地点が探られてきた。
また各国による二国間協議でも、乳製品や砂糖などの市場開放の程度をめぐって厳しい交渉を継続。日米間でも日本によるコメ輸入の拡大や米国が日本車にかけている関税の撤廃などをめぐり、ギリギリの協議が続けられていた。(産経)
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