平野達男参院議員(61)による突然の岩手知事選(20日告示、9月6日投開票)不出馬表明から一夜明けた8日、県政界では「平野ショック」の余波が続いた。平野氏を支援していた県議らは集会で支持者に頭を下げ、予定されていた公開討論会は急きょ中止が決まった。
平野氏に出馬を要請し、支援してきた県議会会派「いわて県民クラブ」の小田島峰雄代表は8日、花巻市で集会を開き、「大事な知事選で皆さんの選択の機会を失ってしまったことは遺憾。深くおわびを申し上げます」と謝罪した。同会派の別の県議は、平野氏と一緒に写った自身のポスター約300枚を地元に掲示していたが、ほぼ撤去したという。
平野氏を支援していた自民党県連は8日午後、盛岡市で役員会を開いた。終了後に取材に応じた鈴木俊一県連会長は「(知事選を)戦う態勢が整ってきたと思っていただけに残念」と肩を落とした。
平野氏に代わる候補者の擁立については、「探す努力はするが現実的に難しい」と述べた。また、県漁連など支持団体への謝罪などのため、党本部から谷垣禎一幹事長が10日、茂木敏充選挙対策委員長が11日、盛岡市を訪れることを明らかにした。
一方、3選を目指して立候補を表明している現職の達増拓也氏(51)陣営は8日、盛岡市大通で後援会の事務所開きを行った。
激しい選挙選の予想から一転、無投票の公算が大きくなったことで、会場は安堵あんどの雰囲気に包まれていた。達増氏は、集まった約300人の支持者らを前に、平野氏の不出馬を「県政史の汚点」などと批判。そのうえで、「選挙戦をフルで戦うことを前提に準備をしっかり進めていきたい」と、陣営の引き締めを図った。
達増氏を事実上支援する社民党県連は同日、県議選立候補予定者らの総決起集会を盛岡市で開催。福島瑞穂副党首が出席し、「岩手の『戦争法案』反対への思いが(平野氏の出馬を)断念させた」と話した。
また、盛岡青年会議所は、10日に予定していた知事選立候補予定者による公開討論会の中止を決定。関係先に連絡するなどの対応に追われた。(読売)
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