■ジョージ・ソロス、保有した中国株のほぼ全株を売却、将来に見切りを付けた
悲劇は重なる。
天津の大爆発は未曾有の惨事となり、8月16日に当局が発表した死者は112,行方不明95(そのうち85名が消防士)、不肖して入院中が722名であるとした。
開催予定だった政治局常務委員会は中止となり、急遽、李克強首相が現場を視察した。
天津市書記の黄興国から説明を聞いた。爆発現場は遠くからみただけで主に犠牲となった消防士らの葬送会場を訪れ、「英雄だ」と遺族を励ました。
しかし「犠牲者は1400名、不明は700名」という現場の噂を在米華字紙「博訊新聞網」(8月15日付け)などが伝えている。2013年11月22日におきた青島の石油管爆発事故ですら、人口密集地ということもあったが、死者62名、重軽傷136名だったの。だから、天津の事故はもっと犠牲が多いはずだという。
爆発した倉庫は中国に四十社ある危険物取り扱い許可を受けた特殊倉庫だが、天津ではなぜか、事故現場の「瑞海国債物流」という資本金1000万元(邦貨換算二億円)の小さな企業。株主は僅かふたりしかおらず「政府高官との特殊な関係」で運営される企業と判明した(『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』、8月17日)。
また「有毒な化学材料は700トン、これは通常の基準の70倍」(台北タイムズ、8月16日)、消防士1000名の増援にくわえて、3000名の軍隊が派遣された。
爆発のあった天津市糖古開発区にはトヨタなど日本企業が夥しく進出しており、被害甚大で操業停止に追い込まれている。
部品供給が中断している上、天津港の港湾機能が麻痺しており、輸出入港として「世界四位」の港湾が今後数ヶ月、使えない状態となると、生産開始はそれなりに遅延するだろう。
日本のメディアはトヨタなどの被害ばかりを伝えているが、世界経済の視点にたてば、世界第四位の港湾が麻痺したというニュースのほうが、深刻な意味をもつ。
それこそ天津は工業区ばかりか北京へ物資を運送する生命線である。代替できる港湾は渤海湾に大連、旅順、営口、秦皇島、煙台、威海衛、青島などあるが、規模が小さく、また郵送コストが跳ね上がることは目に見えている。
▼すぐに行動に出たのはソロスだった
悲劇は続く。
8月13日、広東省東莞では地下鉄の工事現場で、300平方にわたって地盤が崩落、それも白昼の出来事で多くのヴィデオフィルムがネットに流れた。
8月15日、陝西省の炭鉱で落盤事故、64名が生き埋めとなり絶望視される(上海日報、8月16日)。
ネット銀行は「幽霊銀行」、預金が蒸発しても、どこに取り付けに行けば良いのか、分からない、多くの預金者は「ネット銀行が幽霊化した」と嘆いている、と英『ファイナンシャル・タイムズ』が伝えた(8月17日)。
かくて世界一の投機家ジョージ・ソロスは、中国の将来に見切りを付けた。保有したアリババ439万株、「百度」の30万株、ほかに三社ほどの中国企業株式合計300万
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19707 「天津812大爆発」。悲劇敵事故は大悲劇となり、未曾有の惨禍が重なる 宮崎正広

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